電車を動かす為に必要なのは、直流1500Vの電気であるのは言うまでもありませんが、それだけでは成り立たず、高圧電源以外に扇風機や照明等を動かす為に必要な低圧電源と、そして何よりも大切なのが電車を停車させる為に必要なブレーキやドア開閉に使用する圧縮空気の二つを忘れてはいけません。前者は直流1500V電気を低圧電源に変換するMG(電動発電機Motor Generator)で後者はCM(電動空気圧縮機Compressor Motor※一般にはCPと略されますが、電動機なんでMotorが正しいんですよね。でも以降はCPと表記します。)で作られています。
8000系は1編成4両ですが、78系と比較すると半分となる1台のMGとCPで編成4両分を賄う様になります。これが故障をしてしまえば即機能不全となってしまう為にこれらの装置は故障しにくく、尚且つ1台に集約されているので高い能力も要求されます。
(右上に続く)
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8000系のMG、CPはそれぞれの回転数が1800rpm,1200rpmとなっています。同世代の車両で言えば国鉄の103系が3600rpm,2100rpmとなっていますので低回転の機器を採用しているのが伺えると思います。(MGは発電能力が違うので単純比較は出来ませんが、CPはほぼ同じ能力です。)
難しくなるので簡単に説明すると、回転数が同じであり尚且つ同じ能力を発揮する為には発電機が大型になり重くなってしまいます。じゃあメリットは何かと言えばずばり高速回転すると発電機に掛かる負担が大きくなります。つまり低回転の物だと故障しにくくなる事が最大のメリットと言えます。
ただ低粘着を懸念してわざわざバーニア制御を採用する程ですから、重量増は好都合だったかもしれませんね。(勿論車体の重量バランスが最優先されたとは思いますが)
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