| はじめに |
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東武8000系が1963年11月1日に就役して以来、2023年11月1日で60年を迎えました。
動態保存車だった8111Fが野田線仕様でまさかの運用再開した事を記念しまして、ツートンカラー（初代塗装）やセイジクリーム（二代目塗装）時代の活躍や東武鉄道自体の変化等を8000系を中心にしてざっくりとまとめたものを作成してみました。60年を迎えた東武8000系について少しでも理解を深めて頂けたらなと思います。
＜補足＞当サイトでは基本は8000系に統一しています。従来東武鉄道は型式表記が正式の為、昭和の頃から8000型と記載するのが普通でした。なお私は昭和末期生まれの平成育ち世代でありこの頃は8000系は勿論の事、2両固定なら8500系、10000系なら10000系・10030系・10080系とそれぞれが系で公式からも紹介されていたのでこの時の名残で系表記メインとなります。呼びやすいので（笑）そう考えると東武鉄道もいつから一般向けに対しても社内同様の型式での呼び方を推奨する様になったのかなとは感じる所ですね。
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【補足】8000系の各年代ごとの仕様については下記ページにも一部記載ありますので参考までにどうぞ。
8000系未修繕車振り返り,8000系修繕工事研究室
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| 主な出来事 | 補足画像他 |
1963年（昭和38年）8000系誕生
10月 5日 関東製造1本目：日本車輛東京支店（蕨）を8106Fが出場
10月 6日 8106F 東武線内に到着
10月 7日 8106F 竣工日 その後業平橋に回送し内覧会を実施しました。
10月23日 関西製造1本目：ナニワ工機（尼崎）を8112Fが出場
しかし国鉄東海道線守山駅構内にて牽引機関車故障に起因する浮き上がり脱線事故に見舞われた。
数日で竣工を迎えているので軽傷で済んだ模様。
10月30日 8112F 竣工日 ※事故の影響か出場後数日が経っている？
11月 1日 東武鉄道創立66周年記念日 創立記念日に併せて運用開始すべく準備していた8106Fが東上線にて運用開始
11月15日 トップナンバー8101F 竣工日 こちらは本線へ配置。
※結局11月に東上線に8106F,8112F、本線に8101Fの3編成が就役し8000系の活躍がスタートしました。
12月 2日 8000系増備により73・78型による6両編成運転を東上線にて開始。本線側も6両運転拡大に向けてホーム延伸を進める。
年末までに12編成48両(8101F~8112F)が出揃う。
＜昭和38年新製配置＞
本線(西新井電車区)：8101F,8102F,8103F,8104F,8105F 5編成20両
東上線(川越電車区)：8106F,8107F,8108F,8109F,8110F,8111F,8112F 7編成28両
総数：12編成48両
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▲就役当初の姿
【引用】車両技術1964年9月号表紙より
(C)日本鉄道車輛工業協会他の編成と連結する事がない為ジャンパ栓が準備状態となっている。ATSも無いので車上子もなく列車無線アンテナも無い時代でした。 |
1964年（昭和39年）8000系2両固定編成誕生
昭和38年度増備分の残り分として、8113F〜8115Fの3編成12両が完成。
3月 9日 8113F、8114F、8115Fが竣工。13F・14Fが東上線、15Fが本線へ配置
この年の春は新鋭快速車両である6000系の誕生と日比谷線全通による2000系6両化で8000系の増備は年末まで無し。
12月22日 8000系6両運転用の増結車両である8501Fが誕生。6両化が急がれる東上線へ配置される。
なお8500系は当時だと池袋口であろうが2両運用があったので単独での運用も見られた。
当時の東上線は川越電車区の構造上増結用と言いつつ2両編成が池袋方に連結されたので8000系クハ8100にジャンパ栓が取り付けられ、モハ8500がジャンパ栓未設置という逆転現象が発生した。
＜昭和39年新製配置＞
本線(西新井電車区)：8115F 1編成4両
東上線(川越電車区)：8113F,8114F,8501F 3編成10両
総数：16編成62両
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1965年（昭和40年）8000系2両固定編成の増備進む
昭和39年末に増備が開始された8500系の残り7編成が一気に東上線に投入となった。
また昭和40年度には本線、東上線含め一気に50両(4両固定6編成、2両固定13編成)もの8000系が投入される事になりあっという間に投入両数が100両を超えた。
1月16日 東上線で8000系6両編成運転が開始される。
2月 3日 8502F〜8505F 竣工 ※しかし1月16日には8500系が2編成増結に使用されたという記録が残っている。
2月23日 8506F〜8508F 竣工 いずれも東上線に投入される。
5月17日 東上線ダイヤ改正。川越市〜坂戸町複線化される。
9月15日 8116F〜8118F 竣工 いずれも本線に投入される。
9月18日 昭和40年本線第二次ダイヤ改正 早速増備された8000系を投入。
10月10日 8509F〜8519F 竣工 8509F〜8512Fが東上線へ、8513F〜8519Fが本線へ投入される。
10月11日 東上線8000系増結による大型6両運用増発。
10月20日 8119F〜8121F 竣工 東上線へ投入される。
なお東上線は増発不可の為旧型車を置き換えて本線側へ転用。とにかく大型車両化と6両編成化を進める。
10月25日 8520F,8521F 竣工 本線へ投入される。
11月 8日 北千住口車両増結 本線での8000系6両運転が開始される。旧型車両は野田線に転用し野田線の混雑緩和に貢献。
12月 6日 亀戸線ラッシュ時増発し7分間隔から5分間隔運転となる。
12月26日 東上線8000系増結による大型6両運用増発。ラッシュ時の大型車による4両運用が消滅し一部小型6両運用がわずかに残る以外全て大型6両運用となる。
＜昭和40年新製配置＞
本線(西新井電車区)：8116F,8117F,8118F,8513F~8521F 12編成30両
東上線(川越電車区)：8502F~8508F,8119F,8120F,8121F,8509F~8512F 14編成34両
総数：42編成126両
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▲立派なフライング東上号のHMを掲出した8000系
【引用】東上線全通80周年記念SF東武カード(パスネット)より
(C)東武鉄道株式会社
寄居方に8000系4両固定が連結され池袋方に8500系2両固定が連結されているのが伺える。東上線の車両基地が森林公園に移転するまでこの方式が続いた。ちなみに当時は幌の塗分けまでは行われていなかった様でこの画像では幌は全面オレンジとなっている。 |
1966年（昭和41年）本線に春日部電車区が誕生
この年は本線側で大きな変化があり、蒸気機関車の引退、東武ATSの導入、本線に春日部電車区の完成と日比谷線直通の北春日部までの乗入れ延伸とイベントが続きました。
車両面では6000系を増備し日光路より5700系を置き換え伊勢崎線急行の増強したり、乗り入れ延伸に伴う2000系の増備が行われ、8000系も36両が増備されました。
6月30日 蒸気機関車が引退。
7月13日 TS型ATSの公開試験が実施される。(本線東上線でそれぞれ8000系1編成ずつ改造、あとは本線のDRCを使用し試験実施)
8月23日 8122F,8123F,8124F 竣工 (東上線配置)
8月23日 8125F,8126F 竣工（本線配置)
8月31日 8526F 竣工（東上線配置)
9月 1日 車内禁煙区間が拡大される。
本線では従来浅草〜北越谷までだったのが、浅草〜杉戸（現東武動物公園）まで拡大され、
東上線では従来池袋〜川越市から池袋〜東松山に延長されました。昔は駅構内どころか、車内ですらタバコが吸えたんです。
9月 1日 本線に春日部電車区と北春日部駅が完成。同日大規模ダイヤ改正が実施され乗り入れが北春日部駅まで延伸されました。
従来の西新井電車区は帝都高速度交通営団（現東京メトロ）に譲渡され竹ノ塚始発の営団運用が増えた事により
日比谷直通のラッシュ時運転本数が大幅に増発され、地上車は新車導入で最混雑時間帯ほとんどが大型6両編成となる。
9月 2日 8127F,8527F 竣工(8127F：出来たばかりの春日部区に配置 8527F:川越区配置)
9月16日 8522F,8523F,8524F 竣工(本線配置)
10月12日 8525F 竣工（東上線配置）
12月28日 東上線で8000系投入によるダイヤ改正を実施。
限界に達していたラッシュ時輸送に対応すべくわずかに残る小型運用を置き換え最混雑時間帯全運用を大型6両編成とした。
また2分30秒ヘッド運転始まって以来初の池袋口増発となる上板橋始発を1本増やした。
これによりこれ以降の東上線の最混雑時間帯の輸送力増強は8両編成化を行うしかなくなった。
＜昭和41年新製配置＞
本線(春日部電車区)：8125F,8126F,8127F,8522F,8523F,8524F 6編成18両
東上線(川越電車区)：8122F,8123F,8124F,8525F,8526F,8527F 6編成18両
総数：54編成162両
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▲8108Fによるリバイバル
当時東上線の準急は昼間時間帯は池袋を出ると志木までノンストップでした（成増も通過）朝・夕時間帯の準急は変わらず池袋〜成増がノンストップでしたが、昭和42年9月11日改正で昼間時間帯も成増まで無停車で成増以北各駅停車となりました。
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1967年（昭和42年）8000系200両突破。東上線で8両運転開始
4月15日 本線にせんげん台駅が開業。武里団地完成により武里駅の利用者が300%も増えた事による救済も兼ねて準急停車駅として誕生。
開業当初はあくまで武里団地対策で急遽整備した関係か2面2線での開業となりました。
5月10日 8128F 竣工（東上線配置）
5月22日 8129F 竣工（本線配置）
5月26日 8528F,8529F,8530F,8531F竣工(8528F,29Fは本線、8530F,8531Fは東上線配置)
5月30日 8130F 竣工（本線配置）
6月 1日 本線ダイヤ改正
8000系12両を投入し最混雑時間帯の4両運用を大型6両運用に増強し同時間帯の北千住口を全て6両編成化達成。
9月11日 東上線ダイヤ改正 同月9日に坂戸町〜高坂間の複線化完成によるもの。この改正まで日中の坂戸町以北は1時間間隔でした。
朝ラッシュ時は7時30分〜8時30分は限界に達していた為、前後時間帯の輸送力を増強した。
8両編成運用に向けてのホーム延伸工事は上りに限定して突貫で進められていました。
なおこの改正より日中準急は池袋〜志木ノンストップで以降各駅停車から朝・夜時同様に成増以北停車に変更された。
9月19日 8131F,8132F竣工(本線配置)
10月 7日 8532F,8533F,8534F竣工(東上線配置)
11月 6日 8133F,8134F,8535F,8536F竣工（東上線配置)
11月 6日 8537F,8538F（本線配置)
11月13日 本線・野田線ダイヤ改正 追加の8000系12両投入により浅草〜館林で運用される列車が全て4両〜6両となった。
本改正は各ローカル線の輸送改善が主眼で特に8000系投入で小型車14両を野田線に転用させるのがメインとなっている。
特に野田線では東武大宮駅のホームが移設されそれまでの1面1線（国鉄ホーム対面）から1面2線となり、
加えて本年5月末には全線で自動閉塞運転が開始された事もあり全線に渡る輸送力増強が図られた。
11月15日 8135F,8539F竣工（東上線配置)
12月 1日 一部駅のホーム延伸が完成し、東上線で8000系による東武初の8両編成運転が開始された。
ホーム延伸工事を一部駅に限定させた関係で朝ラッシュ時最混雑時間帯の準急限定(3運用)での運用開始となり、
同日より上り8両編成準急はきわ台駅臨時停車扱いが開始された。
なお折り返しの下りは回送ではなく運用はされるがホーム延伸がされていない為、後ろ2両のみ締め切りでの運転となり、
ここで上り方に2両増結編成を繋ぐという当時の東上線限定の組成が功を奏した形となった。
＜昭和42年新製配置＞
本線(春日部電車区)：8129F~8132F,8528F,8529F,8537F,8538F 8編成24両
東上線(川越電車区)：8128F,8133F,8134F,8135F,8530F~8536F,8539F 12編成32両
総数：74編成218両
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▲昭和42年度製造分より車体形状が変更
上が昭和41年度製造分までで昭和42年度製造分からは下の様に車体の溶接固定部の納まりが変わりました。構体を台枠を覆う様に被せつつ車端側は溶接で固定されているのが伺える。特に旧タイプは裾部の水切り部が波を打った様にクネクネとしていて見栄えが良くないのが改善されています。(一番は納まり不良による腐食への対策との事)
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1968年（昭和43年）
8000系投入により本線・東上線以外の輸送改善へ
3月26日 8137F竣工（東上線に配置)※本線へ小型車を捻出する為の増備
4月 1日 TSP-ATS使用開始。（本線：浅草〜新栃木 東上線：池袋〜志木）ATS車上子の設置が進む。
4月17日 8136F,8540F,8541F竣工（東上線配置）※本線へ小型車を捻出する為の増備
4月17日 8138F,8139F,8542F竣工（本線配置）
5月29日 8543F竣工（本線配置）
6月 1日 西新井駅の大改良工事が開始となり、北千住〜竹ノ塚の複々線化工事と8両運転化工事が本格的に動き出した。
7月 1日 本線・野田線ダイヤ改正 2000系2編成12両と8000系4編成12両増備による輸送力増強が行われた。
本改正よりせんげん台駅の副線が使用開始となり正式に2面4線の駅となりました。
なお8000系は小型車両置き換えをメインに使用されこれによりわずか3運用以外全ての準急が大型車による運転となった。
余談ですが準急の大型化の為に一部73・78型運用の本線地上各駅停車運用を2000系が一部担当したとの事です。
その他余剰の小型車によって地方の輸送力の一部増強が図られた。東武の戦前の車両に廃車の2文字はなく本線輸送から
外れてもローカル輸送への対応をしなくてはいけませんでした。東武が電車を大切にするのはこういった要因からでした。
8000系に置き換えられた小型車のうち特に野田線へは8両が投入され野田線の輸送力増強に充てられました。
野田線側でも一大変化として、狭すぎる野田電車区の代わりとなる七光台電車区が誕生し新駅・七光台駅が開業しました。
他には大宮駅1面2線化に併せて着工された大宮〜北大宮の複線化が完成し本改正より全運用4両編成での運転となりました。
野田線には輸送力に優れた3500系更新車が集中配置され、本改正から更新車専用運用が設定されました。
本改正は上記以外にも様々な改善がされた大がかりなダイヤ改正だったと感じますが、翌年にも大きな改正が待っています。
この時代はまさに毎年厳しい輸送改善が求められた激動の時代でした…
10月 1日 TSP-ATSの使用区間を本線は新栃木〜東武日光、東上線は志木〜川越市まで拡大されました。
車上装置の全車取り付けは昭和44年末を目指してATS車上子取付工事が進みます。
10月19日 8141F,8142F,8143F,8547F竣工（東上線に配置)
10月19日 8140F,8544F,8545F,8546F竣工（本線に配置)
10月21日 東上線ダイヤ改正 (高坂〜東松山の複線完成と越生線輸送力増強)
朝ラッシュ時は8両運用を更に3本増やし最混雑時間帯の7本の内6本が8両編成となりときわ台臨時停車列車となります。
なおこのときわ台準急臨時停車措置は今回の6本までに限定され、以降も他の準急についてはときわ台通過扱いとしました。
また夕方の下りラッシュ時の8両編成運転も準急限定で本改正から開始されましたがこちらもときわ台臨時停車は無しです。
これ以上の本数増が望めない中で下り方の輸送力が不足している箇所や上りについても始発駅の延長が行われています。
日中は複線化された東松山までの運転間隔が30分間隔から20分間隔に増強され池袋発の越生線直通準急が廃止されました。
※休日ダイヤの池袋発越生行きは3本残り、本改正より越生線は日中運転本数が60分間隔から30分間隔に倍増されています。
11月 1日 東武鉄道創立71周年の日に本線で8000系10月増備分10両投入による増結が実施されました。
これにより朝ラッシュ時の最混雑時間帯前後を走る4両編成を6両編成に増強が図られました。
しかし輸送量増加は留まる所を知らず…混雑率220％近辺のせめぎあいが続きます。
＜昭和43年新製配置＞
本線(春日部電車区)：8138F,8139F,8140F,8542F,8543F,8544F,8545F,8546F 8編成22両
東上線(川越電車区)：8136F,8137F,8141F,8142F,8143F,8540F,8541F,8547F 8編成26両
総数：90編成266両
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▲池袋方に2両固定を連結し6両編成で走行
東上線では種別表示は長い事サボにて行われた。現在の種別表示位置は列車番号を表示しているが試３９となっているので通じたのかどうか…。当時から列車番号は4桁設定が当たり前だったので数字3桁表示しか出来ないこれは使いづらかったのではと感じます。当時の法則は未だに不明で恐らく列車番号の下2桁を表示していたと思われます。(3006列車を０６と表示していたと思われるので)
なおこの画像からも池袋方に85型、寄居方に80型を連結しているのが伺えますね。
ちなみに東上線でのみこの番号使用がされてた訳ですがこの年の夏頃からか8500型(2両固定)は８５、8000型(4両固定)は８０という識別表示に移行し、結局運用番号表示としての機能は数年で終わってしまいました。(本線は最初から種別表示で使用)
【引用】昭和43年春当時の東上線沿線案内より
(現在の柳瀬川付近で撮影でしょうか)
(C)東武鉄道株式会社 |
1969年（昭和44年）8000系、早くも総数300両を超える。
4月 1日 TSP-ATS使用開始から1年。使用区間が更に拡大。（本線：杉戸〜館林、亀戸・大師線全線 東上線：川越市〜東松山）
4月 4日 8147F竣工（本線配置）
4月14日 8144F竣工（東上線配置）
4月14日 8145F,8146F,8148F竣工（本線配置)
4月23日 8548F,8549F竣工（東上線配置）
4月23日 8550F竣工（本線配置）
7月23日〜8月1日の間に東上線にて8000系6連使用による秩父鉄道線直通の林間学校臨電が運転された。
従来秩父鉄道乗り入れは長瀞駅までだったが、この時に初めて浦山口駅まで乗り入れた。
8月 1日 本線・野田線ダイヤ改正
2000系2編成12両を投入し増え続ける朝ラッシュ時の日比谷線直通車を1運用増やし73・78型運用を置き換えた分で一部
残っていた小型車運用を大型車に置き換え準急は全運用が大型車による運転となった。
本改正では本線準急系統の全車大型化だけでなく運行形態も大きく変化した。
従来日中時間帯の準急の運転本数は1時間に2本であり1本は伊勢崎・赤城行き、もう1本は東武宇都宮行きでしたが、
細谷〜伊勢崎各駅のホーム延伸により伊勢崎まで6両編成運転が可能となった為伊勢崎・赤城の分割運転が廃止となり、
原則伊勢崎まで直通となった。また従来の各駅停車太田行きは杉戸以北各駅停車の準急太田行きとなり杉戸以南が準急運転と
なり、更には準急羽生行きが新設され本線準急は従来の東武宇都宮行きを含めて1時間4本体制となりました。
8000系増備や準急大型化により捻出された小型車で野田線の増発や地方ローカル線の増発が行われました。
なお野田線では岩槻〜大宮が複線化されラッシュ時に2運用が新設され3500系の増備と併せ大幅な輸送力増強を実現。
※ちなみに本改正で3500系更新車増と運転本数増により、野田線で救済的に運用されていた78型の運転が終了となりました。
こんな感じに1年前の改正に続き本年も大がかりな改正となった。
9月20日 6000系同様に8000系をベースにした伊勢崎線の新急行用1800系6編成24両が就役した。
8月改正で準急は伊勢崎直通となり赤城行きがなくなったが、逆に急行は固定編成化により全て赤城行きとなり、
伊勢崎行きの急行が一旦運転取りやめとなりました。なお当面は青帯57型の運転速度のままにて足慣らしとなります。
置き換えられた57型は9月27日から野田線大宮始発の日光線週末急行へ充当される事となった。
10月 8日 8149F,8551F,8552F,8553F,8554F竣工（東上線に配置）
10月 8日 8555F,8556F,8557F,8558F竣工（本線に配置）
※クハ8657にて電車製造1000両目となった。電車総数1000両超えは民鉄では近鉄と営団地下鉄に次ぐ3社目の到達となる。
10月18日 8150F竣工（東上線に配置）
10月30日 8151F竣工（東上線に配置）
11月 1日 本線にて増備した8000系2両固定4編成8両を投入し混雑列車の増結を行った。
12月 9日 本線館林〜多々良間の309号踏切にて大型クレーン車が立ち往生している所に8139F先頭の6両編成浅草行きが衝突、
脱線大破という大惨事が発生。運転士含む7名の方が亡くなる痛ましい事故が発生しました。
クハ8139は右の写真の通り、への字に曲がり大破となったが廃車扱いとならず翌年に同車が代替え新造される事となった。
なおこの事故により運転士による踏切停車闘争が発生し東上線側にも派生ししばらく東武線のダイヤが大きく乱れた。
この年の東上線は車両増備こそ行われたがダイヤ改正はせず8000系を投入し旧型車の置換又は本線への捻出が実施された。
＜昭和44年新製配置＞
本線(春日部電車区)：8145F~8148F,8550F,8555F,8556F,8557F,8558F 9編成26両
東上線(川越電車区)：8144F,8149F,8150F,8151F,8548F,8549F,8551F,8552F,8553F,8554F 10編成28両
総数：109編成320両
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▲昭和44年12月9日朝に発生した
東武館林事故の悲劇を報じる当時の週刊誌
工事現場に向かう大型クレーン車が踏切内で立ち往生となりそこへ8139Fを先頭にした6両編成の準急が衝突し運転士と乗客の女子高生1名の計2名が亡くなり多数の重軽傷者を出しました。また特に凄まじいのが電車側より踏切にいた車側（衝突されたクレーン含む）のドライバー、添乗者らが5名も亡くなっているのが事故の大きさを物語ります。
まるで非現実的な光景ですが、透き通る冬晴れの青空がまさにこれが現実だというのを表わしていると感じます。もう50年以上前の惨事ではありますが改めて犠牲者の方のご冥福をお祈りするばかりです。
【引用】週刊誌・サンデー毎日
昭和44年12月28日発売表紙より
(C)毎日新聞出版 |
1970年（昭和45年）
売上が100億を超えた鉄道事業が戦後初の赤字に。8両化が間に合わず本線では複線での2分間隔運転の実施へ
▲昭和45年より東上線電車の秩父線直通が毎日運転となりました。画像は池袋付近でちちぶ号と国鉄赤羽線101系との並びが記録されたもの。
注目は種別幕部分ですが、東上線特有の上り方に付属編成が組成されている事から当該編成が8500系(８５型)を意味する８５表示がされています。
翌年森林公園区誕生と共にこの変則組成が消える為、ちちぶ号と８５表示の組み合わせは期間限定となりました。
昭和45年度増備車より8000系の運転室のレイアウトが変更され運転席部分だけ広くスペースを取り客室内に
出っ張る配置となりました。これは翌年度から更新される3050系（54型更新車）にも適用されています。またその他の改良点として不燃化、難燃化の強化が図られています。
これは東武2000系が昭和43年1月27日地下鉄で火災事故を起こしその対策検討に1年の検討を要し昭和44年5月に新A-A基準以下の新基準が制定された事による改良であり
新車は最初から採用し既存車についても改造が必要となる項目となった為です。
4月 1日 TSP-ATS区間拡大。（宇都宮線と野田線の大宮〜七光台）
4月29日 春の行楽シーズンを迎え本年より急行たまよど号は急行ちちぶ号になり寄居から秩父線に乗り入れ三峰口駅まで運転される事となりました。
またながとろ号も期間限定運用から毎休日に常時運転される事となった。（こちらは変わらず上長瀞駅まで）
これは前年の昭和44年10月に西武秩父線が開業した事による池袋からの流出対抗策であり東武以上に秩父鉄道の方が危機感を持った為の出来事となります。
結果急行ちちぶ号が休日だけでなく毎日運転される事となり、特に平日は停車駅が池袋を出ると川越市、玉淀、寄居のみでした。
この停車駅は昭和41年まで運転された特急フライング東上号と同じだったというのが特筆されます。流石に通過駅多すぎて利用者いたのか気になりますが…
こうして秩父線乗入れが常時化されました。
更に東武以外でも熊谷からは国鉄の乗入れも活発化され、上野から直通の115系が運転されたり、場合によっては高崎側から八高線経由で気動車が三峰口まで乗入れたりと
いう運転もされています。最盛期の三峰口駅では東武8000系や国鉄115系と秩父鉄道線の車両が一緒に写されている賑やかな記録が残る事となりました。
8月 6日 8152F竣工（東上線に配置）
8月26日 8153F,8560F竣工（本線に配置)
8月26日 8559F竣工（東上線に配置）
11月 9日 8155F竣工（東上線に配置）
11月19日 8154F竣工（東上線に配置）
11月24日 本線ダイヤ改正 複線による2分間隔（1時間30本）運転の実施へ
前年末12月20日に営団地下鉄千代田線が開業し北千住から新たな輸送ルートが確立され、東武、営団日比谷線側においても度重なる輸送力増強を繰り返して来ました。
しかしついに現行設備における限界を迎えたにも関わらず輸送量の増加は止まらず本線、日比谷線の8両化に向けて工事を進めていましたが今冬の着ぶくれ対策に
間に合わない事から抜本的に現状を見直し現状設備で行える輸送改革を行う事となりました。
大きな点は本線のメインである地下鉄直通輸送の大増発をメインとし従来最混雑時間帯1時間における本数を地上15本地下14本の合計29本体制だったのを地上13地下17の
30本体制にする事としました。この為に2000系を更に2編成増備し、営団側は千住検車区所属の7編成を8両編成対応工事の為に竹ノ塚に転属させました。
この所属が竹ノ塚となった編成がそのまま竹ノ塚始発の運用に充てられる事で地下鉄直通運用の増発に寄与しました。
一方で地上運用は減らさざるを得ない事から通勤快速の準急化や1時間30本運転といった極限までの運行本数確保に邁進したのが本改正の特徴でした。
一刻も早く複々線化したいのがこの時点な訳ですが当然完成まではまだ数年を要する訳で本当に胸が痛くなる有様でした。
複々線完成までは本線も8両編成での対応をするしかなくなった訳です。当時のダイヤ見ましたが、2分10秒とかじゃなくて、本当に2分00秒間隔運転でした。
まともにダイヤ守れたのだろうか…?当時既に開業していた千代田線の効果むなしく、それどころか常磐線の複々線化により沿線人口が爆発的に増えた事により
むしろ日比谷線の遅延が増すという事にも繋がってしまいました。更には常磐線複々線化は東武鉄道として見たら野田線柏口の輸送量増に多大な影響を与え
東武は北千住口だけでなく野田線柏口の混雑対策にも頭を悩ませる事となってしまいました。
11月27日 8561F,8562F竣工（東上線に配置）
12月 1日 東上線にて森林公園信号所が完成し使用が開始されました。新駅と新車両基地開業は翌年3月となります。
当時の東上線在籍車両数320両に対し川越電車区の留置能力はわずか68両であり約2割程度しかありませんでした。その窮屈な状態からやっと解放されようとしていました。
気が付けば8500系があっというまに60編成を超えていました。しかしこの年以降8500系の製造は鈍化していき長編成化が進んでいきます。
＜昭和45年新製配置＞
本線(春日部電車区)：8153F,8560F 2編成6両
東上線(川越電車区)：8152F,8154F,8155F,8559F,8561F,8562F 6編成18両
総数：117編成344両
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1971年（昭和46年)東上線に森林公園検修区が誕生。
2月28日 32型全134両の3500系への更新工事が完了しました。戦前の車両を8000系車体を18mにした3扉車に更新する事で特に
野田線の輸送力向上に大きく貢献しました。8000系だけでなく同じ顔をした3500系更新車の活躍も忘れられません。
3月 1日 森林公園駅と森林公園検修区開業により東上線で久々のダイヤ改正実施
従来の行楽急行を特急に変更し、急行は準急の上位種別として一般運行種別となりました。
ただし当時の急行は1時間に1本程度の運転でした。（夕ラッシュ下り時は30分間隔運転）
この日より鉄道部門の現業機関の機構が改正され電車区は検修区と電車乗務区に分割され、車両基地については
これ以降は検修区と呼称されます。（なお機能分割により下今市電車区のみ例外的に電車区として整理されました）
森林公園区が出来た事で川越区時代特有の措置であった85型の池袋方連結組成は終了となり、
種別幕部の８０や８５の表示も不要となり終了されたものと思います。
3月15日 TSP-ATS車上装置が全車に取り付け完了。昨年末目標から3か月遅れでの完成となった。
5月31日 念願の日比谷線8両編成運転が開始されました。6月7日までに全編成の8両化が完了となりました。
この為、2000系は一気に中間車40両を増備（20編成2両増結用）
と相互直通開始から10年経たずに当初の4両10編成から8両20編成と4倍になった訳ですがこれ以降は
2000系のが増備される事はありませんでした。
日比谷線がこれ以上編成長を伸ばせない事もそうですが本数的にも増やせずというのがネックとなります。
これ以降は地上運用の増結で20年近く対応する事となります…日比谷線の利用者は大変だったろうなぁ…
8月10日 野田線ダイヤ改正実施 国鉄複々線化工事と並行して実施されていた東武柏駅2面4線化が完了した。
この頃には3500系更新車が七光台区所属144両の内120両を占め野田線輸送の不動の救世主として活躍していました。
今後東上線側に残る3500系も野田線に集約される予定ですが一方で野田線も今後6両編成化に向けてホーム延伸を進める事
となります。この様に32型車の3500系更新は東武にとっては非常に重要な存在だったのです。
ちなみに常磐快速線は複々線化当初は柏駅にホームがありませんでした。しかし翌年には地元負担で快速ホームが新設され
この利便性向上が引き金となり東武柏駅の利用者が激増していく事となります…。
11月17日 8105F転属（春日部→森林公園）,8128F転属(森林公園→春日部)
これが8000系初の転属だったそうです。
12月 7日 8000系4両固定編成の6両化に伴う中間増結車が誕生しました。形態は8500系をサハとモハを入れ替えて配置する事となり、
サハ8700+モハ880がモハ8300とクハ8400の間に連結されました。この為6両固定100の位が不順となりました。
なお今回の増備は初期の13編成分26両の中間車が増備される事となり2000系の中間車40両含め
1971年度は通勤車は中間車だけが66両も増備されるという不思議な年度となりました。
※8000系中間車は12月に2編成4両、1月初旬に11編成22両が入荷し本線4編成、東上線9編成の割り振りとなります。
8111Fのサハ8711とモハ8811が誕生したのがこの頃となる訳ですね。
＜昭和46年度新製配置＞※中間車だけなので年度換算します
本 線(春日部検修区)：8000系中間車増備のみ 4編成8両
東上線(森林公園検修区)：8000系中間車増備のみ 9編成18両
総数：117編成370両
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▲混雑が酷過ぎてホーム上家柱以外
ベンチすらも撤去された東武北千住駅上りホーム
最も利用者が集中する日比谷線直通車と中長距離輸送や浅草方面輸送が混同する特殊性から長編成化より運転本数増を重要視した本線北千住口輸送でしたが、複々線工事がまだまだの状態でこの年よりとうとう複線で限界となる2分間隔運転が実施されました。運転しづらい自動ブレーキの車両が混在したままの過密ダイヤはまさに限界すらも超えた危機的状況だったと言えるでしょう。東武伊勢崎線が民鉄でいち早く複々線が導入された経緯はこういう状況がありました。
【出展】輸送力増強10年間の歩み（東武鉄道広報課）
(昭和45年発行）(C)東武鉄道株式会社
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1972年（昭和47年) 8000系冷房車誕生
3月 1日 都市交通審議会答申15号が提出され、東上線の直通先が6号線（現都営三田線）から13号線（現副都心線）に
変更されました。これまで東上線と6号線の相互直通に向けて様々な準備を重ねてきましたが断念という形と
なりました。確かに6号線に直通すれば池袋口の混雑緩和にそれなりの効果は期待出来たでしょうが、
東武として重要な池袋を迂回する形となりそもそも都心へのバイパス効果が薄い路線で本当に良いのかと
再検討した様な感じはありますが都からしたら東急側の計画も頓挫し踏んだり蹴ったりな結果と言えました。
東武側の要望を努めて取り入れて誕生した都営6000形は一部8000系の面影もある中で無念の乗入れ中止となりました。
3月15日 本線ダイヤ改正（1700系のDRC化に伴う日光特急の全編成DRC化）
5月 1日 現代の東武鉄道他電車の墓場として知られる北館林荷扱所が開業しました。
当初はカルピス食品工業群馬工場より初恋の味・カルピスを鉄道貨物輸送をする為に誕生しました。
6月27日 8156F,8157F,8158Fの東武初の通勤冷房車18両が誕生。(56Fは東上線、57F,58Fは本線へ配置)
運用開始は7月11日からとなった。
6月27日 8114Fを6両固定化する為の中間車2両が竣工。なお冷房車に併せてパンタグラフは新型の下枠交差タイプとなった。
8月15日 西新井駅大師線ホーム限定で東武鉄道初の自動改札機が誕生しました。自動券売機は既に各所使われていましたが、
これ以降他の駅で自動改札機が誕生するのは平成まで待つ事となります…
11月27日 野田線ダイヤ改正実施
8000系とはまだ無縁な野田線ですが、船橋口の輸送力増強策として野田線初の6両編成運転が七光台〜船橋で開始
されました。資金に厳しい時代でホーム延伸が間に合わない川間〜大宮は4両編成運転のままでした。
というのも当時は高柳基地等なく六実の留置線ぐらいしか目立った留置設備が無かった事から運転本数の増加が出来ず
船橋口だけ混雑率が220％超えに悪化していた為の処置でした。
12月18日 本線ダイヤ改正 8000系の8両編成運転が開始される
本線地上車初の8両編成運転が8000系にて開始されました。
既に日比谷線8両化に伴い北春日部〜北千住の上りホームは8両化されていましたが、今回牛田〜業平橋もホーム延伸を
行い杉戸、幸手始発の普通電車が北春日部で後ろ2両を連結して浅草まで運転される列車が3個誕生しました。
東上線の8両運転開始が昭和42年12月からですが本線も5年遅れで8000系の8両編成運転開始となりました。
なお浅草駅はホーム延伸が出来ない為に近年まで見る事が出来た後ろ2両締め切り対応にて運用される事となります。
東上線側と違い普通による8両運転が開始されたのは北春日部に準急が停まらない事もありますが、準急通過駅の竹ノ塚
や五反野で乗車困難な程の混雑が発生していた為に普通の8両化から開始されたという事情がありました。
12月26日 東上線ダイヤ改正 普通の8両運転の準備が整い貨物のダイヤ改正を行う為のもの（実際普通8両運行は翌年1月31日より）
ダイヤ改正自体は東上線の8両編成運転を増発する為の準備完了に伴い施行されました。
8000系による8両編成運転が開始された本線に先立ち8000系8両編成運転が増えていた東上線ですが、準急列車の運用に
限定されていた為次に普通列車の8両化を実施するべく各種改良工事が実施されました。
その内容は都内区間のホーム延伸、各要所駅の配線改良、川越市駅の8両増発対応の為の構内改良による
川越検車区、電気乗務区を坂戸町へ移転する工事、そして8000系の大山対策車化等広範囲に渡り実施されています。
本線で2分間隔運転が実施されていましたが東上線側は2分15秒間隔で限界となっており都内の本数増は最早出来ない
状態にありました。この改正での増発も成増や川越市以北の一部にとどまっています。
＜昭和47年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：8157F,8158F 2編成12両
東上線(森林公園検修区)：8156F,8114F用増結2両 1編成8両
総数：120編成390両
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▲8000系冷房車登場（行先も幸手ですね）
6両固定編成に加え初の通勤冷房車として誕生した8156F〜8158F。この頃には種別幕が3分割表示から一体表示に変更されています。
またこの年の12月より本線も8000系8両編成運転が開始され浅草駅1番線にておなじみの後ろ2両締切措置が開始されました。この頃はまだ6両編成の先頭付近も建物がなくご覧の感じでした。種別幕部分は既に一体化タイプとなっています。
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1973年（昭和48年)
東上線で大山対策車誕生 既存車の冷房改造が開始される
1月31日 東上線で普通の8両編成運転が開始されました。
前後が踏切に囲まれ8両編成ホームに出来なかった大山駅は前2両(クハ8100+モハ8200)の扉を締め切るという特殊な扱いを
行う事となりました。方法は一部編成に特殊車上子を設置し大山対策専用の改造を施し、大山駅に設置された特別な
誘導電波を常時発するのを車両側で受信する事で前2両が締切となるシステムでした。
これにより車掌としては特別な対応がいらないので人為的ミスを防ぐ所が工夫されています。
残り考えられるリスクとしては、大山対策編成かそうでない編成かを間違えなければミスは発生しない為に8000系の上部灯
の色を紫色に点灯させる処置を行い編成が間違ってないかをホーム配置の駅員も確認できる様にしました。
こうして東上線で数年間限定の特別措置・大山対策車が誕生しました。
4月 8日 東上線から秩父線への直通運転が常時運転されていましたが、伊勢崎線から羽生より秩父線に乗り入れるお花見臨時電車が
運行されました。(8日翌週の15日も)車種は8000系6両編成が使用されたとの事です。残念ながら毎年恒例とはならず。
5月30日 8159F竣工（本線配置）
5月30日 8161F竣工（東上線配置）
6月 5日 8160F竣工（本線配置）
6月 7日 8563F竣工（東上線配置）
6月13日 8162F竣工（東上線配置）
6月15日 8163F竣工（東上線配置）
7月24日 本線ダイヤ改正 日光線オール複線復元完了による増発 長く続くDRC9本体制になる
朝ラッシュ時は8000系による普通8両編成を更に2運用増やし合計5運用となりました。
北千住口複々線完成もあと1年となりましたが45年改正による再編後再度の現有設備における増車の限界となりました。
ちなみに44年8月改正で誕生した浅草⇔羽生の準急はこの改正まで杉戸以北も久喜、加須のみの停車となっていましたが、
和戸、鷲宮、花崎の利用者増に伴い杉戸以北各駅停車に改められました。太田行き準急はB準急、羽生行き準急はA準急
停車駅という変則的案運用はこの改正で終了となりました。
日光線では特急DRCが1編成増備されスペーシア時代にも受け継がれる9編成体制となりましたが、伊勢線側では1800系が
2編成増備され8編成体制となりました。優等列車の改善も目立った改正と言えます。
8月21日 東上線に北坂戸駅が開業。これ以降も東上線は新駅が複数建設される事となります。
11月 6日 この年より8000系非冷房車の冷房改造が開始され、第1陣となる8110Fの冷房改造が完了し東上線で運用に復帰しました。
本年度は32型に続き54型の更新も完了し（3050系,3550系）、53・58型の更新に移行するのと8000系の冷房改造着手
となり合計4編成24両に実施されました。なお当初の冷房改造はわざわざ尼崎アルナ工機まで輸送し実施されました。
11月30日 特急、急行が増発により好調が続く一方で度重なる輸送力増強や人件費増にも関わらず運賃改定の認可が下りない為に
鉄道事業の採算は悪化する一方でした。営業収益の伸びは大手民鉄最高にも関わらず赤字の額も最高という状況に。
この時代の東武鉄道はいっぱいいっぱいな状況でした。
12月28日 東上線の武蔵嵐山〜小川町がようやくタブレット閉塞から単線自動化とTSP-ATS対応区間となりました。
池袋発寄居行きが普通に設定される時代でしたが小川町以北は未だにタブレット閉塞でした。
誕生から10年で8000系はあっという間に400両を超えました。
ちなみに8159Fと8163Fの誕生もこの年という事でこれら編成ですら50年選手となります。
＜昭和48年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：8159F,8160F 2編成12両
東上線(森林公園検修区)：8161F,8162F,8163F,8563F 4編成20両
総数：126編成422両
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▲上部灯を点灯して走る8000系
翌年から誕生するセイジクリーム車でのワンシーンです。上部灯の点灯法則もイマイチよく分からない所です。準急や急行なら必ず点灯していたかというとそうでも無かった様な…?
なお大山対策車はこの色が識別用に紫色に点灯していたとの事です。識別用にって事ですが上部灯もそうですが東上線なら全然使わない種別幕を活用しても良かったのでは…と思ったり。
(昭和50年頃中板橋駅)
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1974年(昭和49年) 戦後最大の試練の年と複々線完成の年。そして衝撃のセイジクリーム塗装誕生。
▲経営状況の悪化に加えてオイルショックによる不景気や電気代の急激な増加が重なり
究極のシンプルを求めて通勤車のセイジクリーム塗装が誕生しました。
（昭和50年頃 東上線 中板橋駅下りホーム）
2月 1日 北千住〜竹ノ塚の複々線完成まであとわずかですがこの日から梅島駅の駅舎が使用開始となり、上下ホームが別れた独特のホーム配置の駅となりました。
2月22日 野田線の大宮公園〜大和田の複線化が完成し大宮〜岩槻が全て複線となりました。既に昼間のパターンダイヤ化や朝の増発が完了していたので
今後の6両化や本数増に向けて活用されていく事となります。当時ほとんどがまだ単線な野田線でした。
5月17日 現在の日本の皇嗣である秋篠宮文仁親王殿下（礼宮文仁親王殿下）が学習院初等科時代の遠足により東上線の8000系特急ちちぶ号にご乗車になられ
秩父線の長瀞駅にご到着後に秩父自然科学博物館のご見学や自然の中を散策されました。
当時は昭和天皇が日光線のDRCにご乗車された事もあったり、特に現在の上皇である当時の皇太子明仁親王殿下が美智子皇太子妃殿下と共にDRC等にご乗車される
機会が目立ちました。という感じに本線ではよくある話でしたが、東上線に皇族の方がご乗車になるケースは近来珍しい事であったとの事です。
5月20日 オイルショックにより省エネルギー型経済への転換が叫ばれ始め、地下鉄だけでなく通常の鉄道においても省エネルギーを追及する動きが加速しました。
東武ではこの日より主回路チョッパ制御電車の誘導障害試験並びに車両設計上の基礎資料を得る為に3050系更新により車体と台枠が余剰となった旧54型モハ5451号を
再利用し（台車は更に旧型の16型廃車から発生したものを流用）これをサヤ8001として改番・改造し森林公園区の8124Fに連結の上試験が開始されました。
サヤ8001にチョッパ制御に必要な各種機器を搭載し、モハ8224とモハ8324の間に連結をしそれぞれの直巻電動機をチョッパ制御にて動かすという形態でした。
サヤ8001自体はその名の通り自らに電動機は有さないですが、車体にはパンタグラフ2基が設置され自らに電流を送り込んだ上で両側のモハ2両の電動機を動かすという感じです。
5月30日 8164F,8565F竣工（東上線配置）セイジクリームの新車がいよいよ登場。
5月30日 8566F,8567F,8568F竣工（本線配置)
6月10日 8165F,8166F竣工（本線配置）
6月11日 8564F竣工（東上線配置）
7月 1日 伊勢崎線北千住〜竹ノ塚 複々線工事完成 翌日2日より複々線の使用を開始しました。
ダイヤ改正は国鉄武蔵野線との接続新駅の建設完了を待ってから実施される事となりますが、複線による1時間30本の2分間隔運転からついに解放される事となりました。
当時は他社大手私鉄では10両編成化や京浜急行では18m車による12両運転が開始されようとしており複々線よりも長編成化による輸送力増強が主体でしたが、
伊勢崎線はこれ以上増車が出来ない日比谷線直通を抱えつつ地上車は遠方からの運用もある事から長編成化は得策とされずに線増を主体として輸送力増強を行うしかありませんでした。
これはとても理にかなってはいますが、実際に実施する事こそが困難であり用地買収等を早い段階から意識していた事が大きいなと感じる次第です。
7月20日 念願の鉄道運賃改定が実施されました。前回運賃改定申請から数年が経過してからの認可の為値上げ後でも支出増大による赤字は残る計算でした。
7月23日 本線複々線化後初のダイヤ改正を実施。国鉄武蔵野線との接続駅・新越谷駅が開業。
まずは複々線を活用し本数増って事で一気に4本を増発し1時間34本設定となりました。（竹ノ塚始発普通3本、羽生始発準急1本の計4本増発）
地下鉄関係の増発は既に限界に達している事から北千住口の増発は今後全て地上車で対応する事となりますが浅草の容量も限界に達していた事から今後曳舟駅の改良が進め
られる事となります。
ちなみにこの改正から1800系急行りょうもうの足慣らしが解除され57型時代からの最高速度95km/hが105km/h(6000系と同様）に改められました。
しかしこれは杉戸以南に限定され、杉戸以北は軌道が弱く軌道改良と信号設備等改良が必要の為継続して57型時代の運転速度に据え置きとなります。
8月 6日 東上線ダイヤ改正実施。こちらも国鉄武蔵野線との接続駅である朝霞台駅が開業しました。
また国営武蔵丘陵森林公園が7月22日に開園した為にレジャー行楽輸送の改善という事で大規模な改正が実施されました。
特に大きな点は従来昼間時間帯は急行1本準急5本だったのを急行3本準急3本に改め森林公園駅含む遠方利用者への所要時間が大きく短縮されました。
また特急、急行の停車駅が変更されています。朝ラッシュ時については引き続き最混雑時間帯の普通8両化を進め3本があらたに6両から8両へ増車されました。
そして東上線は73型以前の低出力旧型車が淘汰され、信号設備関係の改良が完了した事から73・78型ベースの新列車速度が制定され全体的に所要時間が短縮されています。
ちなみに偶然かどうか、東上線お馴染みのLook for Natureのキャッチフレーズの商標登録がこの年の9月に公告されています。（申請は昭和47年と2年前でしたが)
11月 1日 創立77周年と記念すべき喜寿を迎えた東武鉄道ですが、経営状況は悪くなる一方で鉄道・自動車部門での営業損失は50億にまで膨れ上がりました。
この危機的状況には不動産等の開発部門などある意味本業以外で稼いで本業の赤字を減らすしかない状態となりました。
標準ミンデン台車で製造されるのはこの年までとなります。
既にこの頃には製造側の都合で一部台車の仕様変更が発生していました。この時点で標準ミンデン台車の製造は困難な状態になっていたという状況でした。
経営状況の悪化を受けて次に製造される8000系からは大きく仕様が変更されていきます。
＜昭和49年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：8165F,8166F,8566F,8567F,8568F 5編成18両
東上線(森林公園検修区):8164F,8564F,8565F 4編成10両
総数：135編成450両
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1975年（昭和50年)
急激な経営悪化の為に増備開始以来初の8000系の製造が無い年に
5月23日 53・58型の更新が終わり73型・78型を除く東武の旧型車両の更新が全て完了となりました。
後々3070系,3570系と呼ばれるグループですが、当初は制御器や性能の違いから5000系、5500系という形式でした。
6月10日 昭和50年度予算を確定したが経営状況が危機的状況なのは変わらずな上で昨年度完成したばかりの竹ノ塚までの
複々線だけでは到底追いつかないと北越谷までの複々線工事を進める為の設備投資は必要となります。
一方で車両増備を行う余裕は取れない為に本年の新車の増備は止めて、昭和50年度予算に昭和51年度分新車購入
準備という項目を入れる内容となりました。この準備には次の年から8000系が大きくマイナーチェンジされる所の
検討が含まれたのかと感じる所です。
8月29日 車両の話題が全然ないので…この日に運輸大臣へ運賃改定の申請をしました。
今までの運賃は全く適正でないという事で初乗り運賃はそれまでの40円から60円にと結構な値上げとなります。
この頃には国鉄の方が酷い有様となっており初乗り運賃は30円という事で翌年には一気に2倍の60円に跳ね上がります。
急激な物価や賃金高騰によるインフラ抑制施策の煽りを国鉄、私鉄ともモロに受けた苦しい時代だったのが伺えます。
当時運賃改定には国会の承認が必要でしたが、もうそういう次元を超えており、このままでは最終的に国民がまともに鉄道を
使えなっては不味いという事で昭和52年からは運輸大臣の認可のみで経済成長に伴う経費増の範疇なら値上げが可能となり
ました。これ以降は毎年の様に運賃改定が実施され昭和末期にはほぼ現代の運賃までに値上げする事となります。
12月13日 8月29日の鉄道運賃改定が公聴会を得て一部内容の上、12月5日に認可されました。
これが1週間公示の上、13日より改定となりました。
なお10数億の収支不足については経営努力にて吸収するという妥協した内容となっており、運賃値上げがなった一方で
様々な面での経営努力による収支増、支出削減を行う事や当然ながらより一層のサービス改善が使命となります。
12月20日 優先席の設定が開始されました。8000系は全450両のうち318両の車端部側に設定される事となりました。
当時から平成に至るまでシルバーシートと呼ばれていたのが懐かしく感じます。
こんな感じで車両面では優先席が設定された以外に大きな動きはありませんでした。
しかし何もしていないかと言うと当然そんな事はなく翌年の改正に向けての工事が進められていたり、北千住駅では東武ホームから千代田線への地下乗り換え通路の建設等が進められていました。
ちなみに本線では竹ノ塚以北の複々線化工事が着手され、北越谷まで複々線を延ばす事がこの時点で決まっていた訳ですがこの時点で新越谷は急行線ホームを設置する予定になっていたのが実に先見の明があったなと感じる所。ちなみに逆に北越谷駅は地上時代の配線同様に外線は通過線のみでホームは中間1面2線のみの計画だったというのが面白い所ですね。
＜昭和50年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：なし
東上線(森林公園検修区)：なし
総数：135編成450両
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▲初代塗装見納めへ
東上線では種別表示は正面サボを使っていましたが、準急サボの裏は車体塗装に併せて何も文字は表示しないタイプとなっていました。この面を表示する事で普通を意味します。（この真っ白のサボを裏返すと赤字に準急と書かれたものとなり準急運用になる時はこれをひっくり返し準急表示をするという感じです。）
ちょうどツートンカラーからセイジクリームに移行する時は運用の都合上色が合致しない事がありこの様にツートンカラーにセイジクリームのサボを挿し込むというのが発生しました。なおこれはサボだけでなく連結部幌も同様でこの時代は真っ白の連結幌を付けたツートンカラー8000系も確認されています。
もしかするとセイジクリームが出たばかりの頃は逆にセイジクリーム塗装車にツートンカラーのサボを挿すという事もあったかもしれませんね。
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1976年（昭和51年)
再び8000系の増備開始と東上線10両編成運転開始
昭和45年の時はツートンの8000系と国鉄101系の並びでしたが、こちらは池袋の国鉄ホームからのセイジクリーム時代のカラー記録となります。
この頃には東武電車と言えばセイジクリーム1色の味気ないイメージが当たり前となっていきました。 |
6月30日 前年ゼロだった8000系の増備がこの年から再開され、更に大幅な改良が加えられました。
7月7日竣工の記録が残っている一方で、この日8000系マイナーチェンジ車のレセプションが業平橋にて開催されています。
アルナ工機製(8167F),富士重工製(8168F)の2編成を並べた気合の入りようだった模様です。
7月 7日 8167F,8168F,8169F,8569F,8570F竣工（本線へ配置）
7月20日 本線ダイヤ改正 曳舟駅亀戸線専用ホームが完成し本線曳舟終着列車を増設へ
北千住口西新井、五反野付近での輸送限界に伴い普通の増発メインで増強を進めてきましたが、普通がこれ以上増やせない為に
以降は準急を増やす事となります。今回の改正では準急のみの3本増設で最混雑時間帯は1時間37本運転となりました。
しかし終点浅草の容量限界は前回のダイヤ改正の時点で顕著だったので今後は曳舟駅終着（その後業平橋で折り返し）の列車
を増やす上で当時5分間隔運転だった亀戸線と本線ホームが共用されていた為に亀戸線専用ホーム5番線を新設し、曳舟終着の
本線列車を増やす為の工事の完了を待っての改正となりました。
当時の北千住駅は中千住付近が貨物ヤード専用だったので折り返し設備が設けられずこの様なやりくりが必要だったのです。
9月30日 8170F,8171F,8172F竣工（東上線へ配置）
11月 1日 創立79周年。この日より東上線で東武初の10両編成運転が8000系にて開始されました。
朝ラッシュ時の最混雑時間帯の準急7本のうち5本（前後含めると6本）が8両から10両に増強されました。
東上線は北坂戸駅の開業などもあり遠方の利用者は増える一方で準急の8両化が完了していた為に東武初の10両編成運転と
なりました。
一方で都内区間の8両化の為に大山駅の踏切をなくす為の地下通路工事も進め翌年完成時に本格的なダイヤ改正となります。
今回はあくまで急場しのぎという所ですが将来的に10両運転は必須になる為意義のある10両運転開始だったと言えます。
11月 9日 秩父宮妃殿下勢津子様が東上線にご乗車。8000系の特急ちちぶ号にて三峰口まで移動の上、三峰神社をご参拝。
往路も三峰口から8000系ちちぶ号にて池袋までご移動となりました。
池袋駅では根津社長に見送られ、道中は取締役東上業務部長らが同行しました。
臨時ではないのでこういう場合1両貸し切りの他の5両は一般利用者が乗れたんでしょうかね？
12月28日 本線で特急・急行料金が改定され、従来の本線の急行が快速急行に種別が変更となりました。
この快速急行は従来通り6000系にて運転され以降平成の6050系で運転される座席指定車に至るまで続く事となります。
＜昭和51年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：8167F,8168F,8169F,8569F,8570F 5編成22両
東上線(森林公園検修区)：8170F,8171F,8172F 3編成18両
総数：143編成490両
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▲この年の増備車から台車が変更
1976年度増備車より大きくマイナーチェンジされ台車、車体、艤装面等細かい点を含め様々な変更が発生しています。
台車は鋳鋼製の製造が困難になった事から通常の鋼板を溶接するタイプになりました。見た目はかなりすっきりした印象ですね。他には床構造では保温・防音効果向上が図られたり、目で見える範囲では室内側の乗降扉がステンレスヘアラインの無塗装仕上げとなっているのが目立ちます。
1年のブランクを得て8000系の増備が再開されましたが、前年ストップしていた冷房改造も36両が施工されています。
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1977年（昭和52年)
8000系野田線で運転開始と東上線大山対策車の終了
1月31日 車両の優先席（シルバーシート）のモケット張替えが実施されました。
第一陣は6000系6122Fですが、8000系ら通勤型車両も順次張り替えられていきます。
4月 1日 小泉線ダイヤ改正 東小泉信号所に東小泉駅を新設。
館林方とは別に太田・龍舞・小泉町・西小泉と運転されていた小泉線ですが、東小泉駅が開業した為太田発の西小泉
直通は激減となり、東小泉で館林方からの電車に乗り換える方式となりました。
西小泉駅からすると本線が激減する内容になっていますが東小泉では県立高校が出来たり開発が進んだりといった動きが
あった為の措置となりました。東小泉自体は戦前に駅があったのですが昭和30年に一度廃止されての復活となりました。
4月15日 1日に全線でタブレット閉塞から単線自動閉塞化された小泉線でしたが、この日からTSP-ATSも使用開始となりました。
5月 1日 東上線で最後までタブレット閉塞運転となっていた小川町〜寄居が単線自動閉塞化とTSP-ATSが使用開始となりました。
またこの頃から東松山〜森林公園の複線化工事が開始されました。
森林公園という一大車両基地を構え運用上重要な区間であるにも関わらずこの時まで単線でした。
理由は勿論資金に余裕が無かったからです…この為当時はまだ一つ前の東松山が運用上主要な拠点駅となっていました。
5月25日 8173F,8175F,8177F竣工（東上線へ配置）
長編成化の流れにより8000系初の8両固定編成が誕生しました。形態的には4両固定を2本繋いだ感じとなり中間の付随車が
新たにサハ8900形となりました。このサハ8900形はサハ8700形と違いCPやMGを吊らない純粋なサハです。
なお当時は8両固定編成の検査体制が整わなかった事と本年度の新車は全て東上線用という一方で在来車を本線に転属する
事で車両数調整を行う事が決まっていた為当初は止む無く中間のサハを抜いた6両編成で運用される事となりました。
10月まではこれら3編成は6両で運用され、中間のサハ8900形は森林公園区に単独留置される事となります。
8月 2日 野田線ダイヤ改正 野田線全線で6両運転開始、8000系冷房車20両が配置、全線での輸送改善を実施
本線で複々線が誕生した昭和49年7月改正時に柏口の輸送力増強を行って以来経営状況の悪化から3年間もてこ入れが出来ず
常磐線複々線化による沿線開発も進んだ結果特に柏口では朝ラッシュ時に混雑率を全線で最悪となる243%を記録しました。
当然大宮口、船橋口も3年のブランクを得て混雑率は軒並み200%超えとなっており全線での輸送改善が必須な状態となって
いました。しかし6両編成は七光台〜船橋のみであり増発するにも地上の変電設備が追い付いていない事からホーム延伸工事
変電所を新設し増強、3000系初の6両固定編成化に組み替える等各種準備が整った事から全線でのダイヤ改正となりました。
これに伴い今回は8000系20両を投入し輸送力を増強しています。またこれが野田線初の冷房車両となりました。
7月25日 8179F,8181F竣工（東上線へ配置）
10月19日 21日のダイヤ改正直前になり8173F,8175F,8177Fがサハ8900形を連結し6両から8両になったそうです。
10月21日 東上線ダイヤ改正 みずほ台駅誕生 大山駅ホーム延伸 東松山〜森林公園複線化
運用上のネックとなっていた大山駅のホーム延伸と森林公園まで複線化が完成し大きく輸送状況が改善されました。
大山駅ホーム延伸により大山対策車の運用は終了となりましたが、普通の8両編成運転が大幅に増えす事が可能となりました。
また東上線の運用改善に併せて越生線も増発がなされました。しかし一方で長編成化が進んでいた事から休日に運転されていた
池袋発着の越生線直通特急のかまきた号・くろやま号が廃止されてしまいました。
なおこの変化に併せて特急の名称が変更され ちちぶ号がみつみね号に 森林号がむさしの号 となりました。
細かい所だと東上線の荷物電車も廃止となりました。
11月 1日 東武鉄道創立80周年として杉戸に東武動物公園を建設する事が発表されました。
＜昭和52年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：無し
東上線(森林公園検修区)：8173F,8175F,8177F,8179F,8181F 5編成40両
野田線(七光台検修区)：新製配置は無しですが4両固定5編成20両が初めて配置されました
総数：148編成530両
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▲野田線に8000系が配備
昭和52年8月2日改正で野田線大宮、柏口で輸送力増強が行われました。特に大宮〜七光台での6両運転開始と8000系冷房車の配置が特筆される改正です。七光台区は現代に至るまで構内入れ替えは所属車にて行う為当時ではこの様に検修区内限定で3000系に牽引される8000系が見られました。一応当時はまだ3070系（初代5000系）に更新される前の53型も8両在籍していましたが七光台区は6両固定編成も誕生した3000系の楽園となっていました。
(七光台検修区にて）
【撮影提供】シュガートレイン様
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1978年（昭和53年) この年の増備車より幕の色が変更される
1月 5日 本線では未だに浅草〜杉戸までが車内禁煙区間となっていましたが、この日より宇都宮線全線が禁煙区間となりました。
東上線・野田線・亀戸線・大師線の全線は既に車内禁煙区間となっていましたが本線は杉戸以北は車内でもスパスパ吸えたと…
勿論、車内禁煙区間はあくまで車内で吸わないだけであってホーム上ではスパスパ吸いまくってた訳で混雑時間帯はトラブルの
原因にもなったとの事です。吸い殻もそこら中に捨てまくってたんですかね…?
4月 1日 この日より、列車無線の使用開始となりました。
第一陣範囲には日光線全線と伊勢崎線の浅草〜館林までとなっておりDRC、1800、6000の優等車両達から対応工事開始と
となりました。
8月25日 昨年みずほ台駅が開業したばかりの東上線でまたも新駅建設が着工され、今度は鶴ヶ島〜坂戸間となります。
東上線は昭和46年に森林公園駅が開業して以降48年北坂戸駅、49年朝霞台、52年みずほ台とどんどん駅が増えていきます。
すなわち沿線人口の増加が加速している訳であり、ますます混雑緩和への対応に苦心する事となります…
9月26日 8183F,8185F,8187F,8189F竣工（東上線に配置）
この年の増備車は若干改良がされており、目立つ所では行先・種別表示幕を従来の白地＋黒字から青地か赤地＋白地の新しい
幕が採用されました。またラッシュ時対策として座席網棚の手前に掴み棒が設けられたり、列車無線アンテナの準備工事等
細かい所がちょこちょこ改良さされています。
10月28日 8191F竣工（本線に配置）※久々の4両固定編成
11月 8日 東上線で朝ラッシュ時の普通増結を実施し最混雑時間帯の普通6本が6両編成から8両編成に増強されました。
本年度東上線増備が18両に対し32両の8000系が投入された為8両固定以外の8000系4編成14両が春日部区と七光台区へ転属し
車両数調整を行っています。
11月14日 本線・野田線ダイヤ改正実施。
東上線から転属した8000系14両＋本線に新たに配置された8191Fの合計18両や各種設備改良により本線・野田線の改正
が実施されました。
本線では準急初の8両運転が新規3個列車にて運転開始され、全て幸手始発の列車として設定されるに辺り幸手と杉戸の
上りホームが8両編成対応となりました。更に普通運用も1本6両編成から8両編成に増強しています。
なお8両編成に増強した編成はいずれも曳舟止まりの為曳舟駅4番線もホームを8両編成対応に延伸しています。
野田線側では単線のままだった初石〜柏が複線化され大宮口の大宮〜岩槻同様に柏〜運河が完全複線化となりました。
これに加え8000系8両投入と3000系6両固定改造を増やし大幅な輸送力増強を図る事となりました。
運河まで複線化された柏口では運河始発の6両編成列車をラッシュ時に2本追加設定が可能となり、これにより
混雑率は従来より一気に50％も改善されました。
一方で船橋駅付近の高架化工事を行っている船橋口はこの工事に併せて複線化される予定の為、本数が増やせない事から
既存編成への増結を実施しラッシュ時最混雑時間帯の運転を全て6両編成としました。
このオール6両化は野田線主要口では唯一の対応であり複線化が遅れ本数が増やせない船橋口の次なる課題は
8000系による野田線初の大型6両運転開始となっていきます。
12月 6日 春日部駅野田線ホームに春日部らーめんがオープン。高架化工事で一旦休止するんでしょうが末永く続いて欲しいですね…
12月30日 翌年開業予定の東上線の新駅が若葉と柳瀬川に決定しました。
坂戸（旧坂戸町）は上下方向に新駅が追加され、志木〜鶴瀬間は柳瀬川とみずほ台の新駅が中間に2個も新規設置されたりと
劇的に変わる事となりました。
ちなみに翌年は柳瀬川駅完成時に東上線でみずほ台駅開業以来の大規模改正が実施される事となります。
＜昭和53年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：8191F 1編成4両
東上線(森林公園検修区)：8183F,8185F,8187F,8189F 4編成32両
総数：153編成566両
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▲この年増備以降より白地幕から青地幕を採用
従来の白地黒字幕を順次青地白字幕へ交換したかと言うとそうではなく、白地幕もそのまま使われ続けました。幕が破れたり破損すると白地幕も新幕へ交換されたのかどうかは定かではありませんがこれによって行先表示は青地だが、種別幕だけ白地の旧幕のまま使われ続けたりといった感じにパターンが複雑化しました。結局その後平成に入っても未修繕車の白地幕は残り続ける事となります。
経営に余裕が無い時代だったので物は大切に使おうの精神だったかなと…
またこの年の増備車は列車無線アンテナ本格開始前だった為準備工事となっていました。
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1979年（昭和54年) 8000系総数600両突破と5桁車の誕生
1月15日 前年8月12日にその他大手私鉄と共に提出していた鉄道旅客運賃改定については恒例となった公聴会を得て前年末に無事
認可され公示の後この日より運賃が改定されました。前述していますが国鉄のヤバさに併せて私鉄もどんどん運賃を値上げ
していく事となります。(今までが安すぎただけですが)
4月 2日 東上線で若葉駅が開業。
4月 5日 1800系が従来の4両編成から6両編成に増強される事となりました。当時日光線側ではDRCの輸送人員が昭和49年をピークに
不況の影響をモロに受けたり自動車の台頭により徐々に減りつつある状態でしたが、一方で1800系急行りょうもう号は
不況も何のそので相変わらず右肩上がりの状態となっていました。前年にも運転本数を増やす改定を行っていましたが、
今回抜本的な対策として6両編成化が実施されたという感じです。
5月16日 32型,54型,53/58型の更新が終わり次なる更新は東武初の20m4扉車の78型となりこれが新5000系として生まれ変わる事と
なりました。見た目は8000系と同じ車体を活用しそっくりではありますが床下は78型からの再利用となっています。
また当初は8000系の車体を再利用したけど非冷房だったりブレーキも従来の車体ブレーキ方式が踏襲されたりと3000系列
と似た更新メニューにとどまっています。結局は後に冷房化やブレーキ装置を8000系同様のHSCに改造される事となります。
なお従来の5000系は53,58型の更新車でしたが3070系,3570系に改められる事となりました。
6月 1日 昨年より列車無線が使用開始となりましたが、この日より列車相互間の安全確保の為に防護無線システムが開始されました。
7月21日 輸送人員が下がり続けている日光線特急DRCですが、サービス改善として1700系2編成の台車を更新しました。
10月 1日 昨年4月1日より本線の優等列車に限定して使用開始されていた列車無線がこの日より通勤車にも採用される事となりました。
なお第二期列車無線対応エリアは引き続き本線側限定で伊勢崎線の館林〜伊勢崎、桐生線太田〜赤城、宇都宮線と鬼怒川線
となり野田線や東上線はまだ未対応となっています。
なお通勤車と言いつつ8000系と3070系、6000系の未対応車までとなり他の3000系列は小泉線や野田線が未完成という事も
あってか対象から外されていますが、3070系列だけは宇都宮線・鬼怒川線も走行する事から工事対応となりました。
8000系についても最初は28編成130両までが対応となり列車無線の本格運用開始となりました。
10月 1日 8193F,8195F,8197F,8199F,81101F竣工（全て東上線に配置）
8199Fの下り方4両より100番に到達し8000系5桁車が登場しました。
本年も8000系の増備は8両固定5編成40両となり後述する東上線ダイヤ改正の必要分は26両の為14両の8000系が本線側へ
転属しています。内訳は春日部区に4両固定3編成12両で七光台区には春日部区から2両1編成、森林公園区から2両1編成の
合計2編成4両となっています。
10月31日 本線・野田線ダイヤ改正実施。昨年に続きの改正ですが、本線側は控えめな改正にとどまっています。
伊勢崎線で細谷〜伊勢崎の単線自動化が完成し一部ダイヤが変更されている事と、朝ラッシュ時の下り久喜口の運転本数
が少ない時間帯にB準急を増設するといった内容になっています。
また野田線では8000系4両増備により3000系の運用を一部置き換え3000系による6両編成運転本数を増やしています。
11月 8日 東上線ダイヤ改正実施。昨年も11月8日に8両運用を増やしていますが偶然か本年のダイヤ改正も11月8日になりました。
一昨年のみずほ台駅開業以来の改正となり今回は柳瀬川駅の開業によるダイヤ改正となります。
内容としては過去一番に長編成化を推進する内容となっており東上線全線における10両編成運転の転換期となった改正と
なります。従来の寄居直通運転から本格的に小川町分断が実施されています。
ホーム長は小川町まで10両編成対応化され、都内の普通における10両運転も本改正より開始される事となりました。
朝ラッシュ時最混雑時間帯は普通の6本が10両化、4本が8両化と20両分の増強が実施されています。
なお今回改正で8000系運用の9割以上が8両編成以上での運用となった為平日のみつみね号の運転は廃止され小川町止まりの
さだみね号となりました。（休日については従来通りみつみね号、ながとろ号の秩父線直通運転が継続されます)
12月30日 翌年開業予定の東上線の新駅が若葉と柳瀬川に決定しました。
坂戸（旧坂戸町）は上下方向に新駅が追加され、志木〜鶴瀬間は柳瀬川とみずほ台の新駅が中間に2個も新規設置されたりと
劇的に変わる事となりました。
ちなみに翌年は柳瀬川駅完成時に東上線でみずほ台駅開業以来の大規模改正が実施される事となります。
＜昭和54年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：なし
東上線(森林公園検修区)：8193F,8195F,8197F,8199F,81101F 5編成40両
総数：158編成606両
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▲8000系5桁ナンバー登場
この年より8000系の下2桁の編成番号が100に到達し5桁ナンバーとなりました。あくまで同じ8000系ではありますが『はちまんけい』とはなりませんのでご注意を…
なおこの画像はリバイバルカラー時のペンキによる再現ですが、当時はペンキではなく、打ち抜き数字、記号にて形式・番号・社名が表現されており格式があったなと感じる所です。国鉄でも一時特急車両や通勤車だと201系で採用され、今でも東京メトロの車両はこのタイプを採用し続けていますので気になる方は確認してみてください。
シュガートレイン様より当時の打ち抜き文字・数字の画像を寄贈頂きました。ありがとうございます。
ちょうど上の81111と1つ違いの81110Fクハ81110のものとなります。昔は8000系は全車この打ち抜き数字だったんです。風格ありますね。
(2023/11/24画像追加・シュガートレイン様撮影ご提供)
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1980年（昭和55年) 野田線で8000系6両運転開始される
4月 1日 列車無線対応車が更に増え非対応だった8000系、6000系と2000系が列車無線対応の車上子工事取り付けが完了しました。
今回は地下鉄直通の2000系が一気に全20編成対応となった事が目立ちます。
東上線、野田線はまだ工事が完了していないので未だ列車無線の使用エリアには含まれていませんでした。
6月27日 81105F竣工（東上線に配置）
6月29日 81103F竣工（東上線に配置）
なお8両固定2編成を東上線に投入するも増備は全て本線ダイヤ改正分でありこの新車配置と同時に6編成16両が本線へ
転属しています。
8月 5日 本線ダイヤ改正実施 ※ラッシュ時準急輸送力増強
昨年改正で幸手からの準急8両運転を開始しましたが今回は館林からの準急8両化が実施されました。
今回は従来の浅草行き6両編成電車を5本8両編成に増強する事となり、更に以前は北春日部始発の普通浅草行きを
春日部区出庫の上、春日部駅始発の準急曳舟行き1本に変更し、代わりに竹ノ塚始発の普通浅草行きを新設するという
感じに遠方の輸送力増強が実施されました。これにより本線北千住口は最混雑時間帯1時間38本運転となっています。
また午後ラッシュ時の準急が今回改正より全て6両編成となりました。（当時はまだ4両編成が残っていたみたいで…）
なお今回も上りホーム限定での延伸となっていますので8両編成は下り方面は引き続き回送となります。
10月26日 8192F竣工（本線に配置）
8192Fの増備は野田線増備用の名目なのでこれにより2両固定4編成8両が春日部区から七光台区へ転属しています。
12月15日 相変わらず朝ラッシュ時は大混乱を見せている東武北千住駅上りホームですが、この日より千代田線乗り換え連絡通路
を増設しホームの混雑緩和を図りました。この頃になると北千住駅は日比谷線も千代田線も大変な事になってました…
12月17日 野田線ダイヤ改正 8000系による初の大型6両編成運転開始 と 船橋口高架化完成
高架化工事に併せて大型6両編成運転に対応したホーム延伸を進めていたのが完成し8000系の増備完了（総数40両）の
準備が整いこの日より大型6両運転が開始されました。なお野田線初の6両編成運転が船橋口で開始された時と同様に
今回もまずは七光台〜船橋に限定してホーム延伸が実施されました。
船橋口高架は複線化の準備工事もされてはいますが土地の関係上切り替え後に建設となる為複線化にはまだ時間が掛かり
ます。その為本数が増やせない事から初の大型6両による輸送力増強という対応策をとるしかありませんでした。
一方で大宮口は小型車限定の運用とはなりますが、ラッシュ時に残る4両編成5本のうち2本を6両編成に増強し輸送力
を増やし、柏口は船橋口の恩恵を受けて同時に大型6両編成の運転が開始されています。
＜昭和55年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：8192F 1編成6両
東上線(森林公園検修区)：81103F,81105F 2編成16両
総数：160編成628両
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▲この年より側引戸のガラス止め構造が変更
従来は黒Hゴムだったのをアルミ枠固定方式とし、外観がスッキリしました。またゴムの劣化自体が無い所も強みです。将来的には在来車も黒Hゴム固定から金属枠に交換されていきますが、ガラスの納まりが異なる為押さえ枠が視認出来るものとなっており違いが分かります。
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1981年（昭和56年) 8000系以来18年ぶりの通勤新車9000系が誕生
1月29日 東武動物公園開園が迫る最寄りの杉戸駅の改良工事が進み、今でもお馴染みの橋上駅舎の仮使用が開始されました。
3月には東武動物公園駅に改名される為、杉戸駅と橋上駅舎は約1か月限定の組み合わせだったという感じです。
2月22日 8571F,8572F,8573F竣工（本線へ配置）
2月23日 81108F,81109F竣工（本線へ配置）
3月 2日 81107F竣工（本線配置）
2両編成が久々に誕生しました。これらは73型代替新造の為でありいよいよ純粋な増備以外の車両新造が出来るまでの
余裕が出来たのかと言うとそういう訳でもなく、78型の更新が始まり73型の扱いをどうするかとなった上で73型の2度目
の更新は冷房化等の条件が加わると台枠等が耐えられない為にこの様な判断となりました。
20m4扉車の73型ですから使えるなら使いたいのですが、時代の流れによりそれは無理となりました。
3月16日 本線ダイヤ改正 日比谷線直通の北端を従来の北春日部から杉戸駅から東武動物公園駅へ改称された同駅まで延長
となりました。当初は北春日部止まりの一部延長に留まり1時間辺り2本程度の本数でした。
なお東武動物公園は3月28日に開園し、トク500がアルナ工機で復元の上園内に展示される事となりました。
4月15日 国鉄の貨物ダイヤ改正に関連して貨物接続が従来の北千住・栗橋・久喜から久喜に統一されました。
以降甲種輸送による新車のの受け入れ駅も久喜に統一されます。
4月16日 78型更新車として新5000系が昭和54年に誕生していましたが、更新内容を見直した5050系12両(5151F,5152F,
5551F,5552F)が誕生しました。大きな変更点は8000系同様の冷房車となった事やブレーキ方式も同様のHSC式
とする等大きく改良されています。
なお冷房化に際して補助電源装置が新たにサイリスタインバータを活用したブラシレスMGが採用されており今年度増備の
8000系にもこの新機軸が採用されます。
5月 6日 鉄道旅客運賃・料金が改定されました。この時点でやっと数年前目標だった初乗り80円にまで値上げ実施となって
います。勿論利用者からしたら悪い話ですが、相変わらず審査・査定は厳しく引き続き経営努力が求められます。
とは言っても景気も回復しつつあり収入と支出のバランスは明らかに改善されておりますます設備投資が加速
していく事となります。個人的には動物公園建設してる余裕あるんかいって思ってしまうんでしょうね…
6月17日 列車無線第三期工事が完了。亀戸・佐野・小泉線が対応し本線系統はほぼ全線が対応。
7月 1日 この日より東上線・越生線もやっと列車無線に対応しました。残るは野田線と先行き短い熊谷線だけが非対応に。
9月 2日 81110F竣工（本線へ配置） ※同時に東上線のダイヤ改正用に8192F（6両編成）が森林公園区へ転属。
11月10日 東武東上線と地下鉄13号線直通用の新型車両9000系9101Fが竣工。8000系誕生以来18年ぶりの通勤新型車となりました。
11月16日に下板橋駅構内で社内展示会が行われ、営業開始となる年末までの各種試運転が実施されました。
11月19日 第三セクター野岩鉄道が発足。
11月28日 東上線ダイヤ改正
9000系10両固定編成の就役を見据えて従来朝・夕ラッシュ時限定だった10両編成運転を昼間時間帯にも拡大するもの。
当然本命はラッシュ時の輸送力増強であり、最混雑時間帯の普通の10両編成運用の増加と残った6両運用の8両化の推進
を引き続き進める。また沿線に学校が増えてきた事もあり下り方面の混雑も悪化してきており、上りの長編成化を進め
つつ下り方面の8両化も増やしています。この改正で平日は全運用の87％が8両編成以上での運転となっています。
12月28日 9101F営業入り。朝6時台から森林公園始発で運用に入り、途中10時頃に池袋駅5番線にて花束贈呈式が挙行されました。
＜昭和56年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：81107F,81108F,81109F,81110F,8571F,8572F,8573F 7編成24両
東上線(森林公園検修区)：なし
総数：167編成652両
1982年（昭和57年) 東武8000系増備最終年度へ
2月13日 81111F,81112F,8574F,8575F竣工（東上線に配置）
7月27日 81113F,81114F,8576F,8577F,8578F竣工（本線に配置）
7月27日 8000系18両増備による本線ダイヤ改正を実施
本線側では北側の利用者が年々増え続け準急の利用者も増えて続けてきていました。その為今回は新栃木始発の
日光線からの準急を幸手で2両増結の8両編成に増強し、更に幸手始発の普通1本を準急化とし代わりに竹ノ塚始発
の普通曳舟行きの新設により最混雑時間帯の運転本数は1時間辺り39本に増えました。（緩行線26本急行線13本）
また準急の混雑が顕著な為に伊勢崎線の通勤快速を午前午後ラッシュ時共に準急に格下げし伊勢崎発着通勤快速が
消滅しました。
今まで本数が増える度に留置線が増設されてきた春日部検修区ですが、構内の拡張がいよいよ限界となってしまった為
今回増備に対応すべく春日部駅起点方に留置線を2本新設し凌ぐ事となりました。
いよいよ春日部検修区以外の車両基地が必要となってきたのがこの頃となります。
10月26日 野田線船橋〜新船橋が複線化完成
11月10日 野田線塚田〜馬込沢の複線化が完成し船橋口の船橋〜馬込沢が複線化されました。
しかしこの時点ではダイヤ改正とはなりませんでした。出来る事なら馬込沢〜船橋の増発をしたかったでしょうが、
当時の船橋線では新柏駅の建設と新柏〜増尾の複線化工事、馬込沢では折り返し線建設工事が終わっておらず車両増備
も必要な事から、結局ダイヤ改正自体は翌年7月まで持ち越される事になりました。
いよいよ8000系の増備も終わりが見えてきました。
＜昭和57年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：81113F,81114F,8576F,8577F,8578F 5編成18両
東上線(森林公園検修区)：81111F,81112F,8574F,8575F 4編成12両
総数：176編成682両
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▲S56年度製より補助電源装置がBLMGに
78型の5050系更新による冷房化の際の大容量補助電源装置として採用されたBLMG。56年増備車は勿論の事以降冷房化改造される8000系にも同様の装置が採用される為に編成ごとの差異が増える事に。
▲S57/11頃に船橋口高架複線化が完成
左下に小さく写っている野田線船橋口の高架複線化完成とセイジクリーム8000系ですが、この組み合わせが見れるのは翌S58年7月改正までのわずかな期間となりました。翌年野田線の8000系は全て5050系に置き換えられる為です。
【出展】東武鉄道昭和58年度主な事業計画より
（東武鉄道広報センター）
（C）東武鉄道株式会社
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1983年（昭和58年) 東武8000系増備完了
1月28日 81118F,81119F,81120F,8580F竣工（東上線に配置）
3月18日 81115F竣工（東上線に配置）※当時私鉄最大のインフレナンバー・サハ89115が誕生。
3月18日 81117F,8579F竣工（本線に配置）
東武8000系全183編成712両で増備完了となりました。
当時の内訳は森林公園区390両、春日部区282両、七光台区40両でした。
6月 1日 東武熊谷線が廃止に。
6月16日 5050系5157F,5158Fの更新が完了しこの編成より側面にも自動行先方向幕が設置されました。
8000系にはなく、最新の9101Fと違い側面中央部に設置されている点も特筆されるが今後の東武電車の標準スタイル
となっていきます。
6月24日 営団地下鉄有楽町線の延伸区間となる池袋〜営団成増が開業しました。和光市での相互乗り入れまであと少しです。
7月 1日 杉戸と館林の一元化を図り貨車等の検査を行う館林新検車区が完成しました。
これが後の津覇車輛館林作業所の建物となります。
7月21日 本線・野田線ダイヤ改正実施
本線側は通勤輸送よりも特急の改正が主眼となります。改正と言っても年々利用者が増え続けるビジネス急行りょうもう
と違い観光輸送がメインとなっていた日光線特急、快速急行の不調が長年続いていた為今回より本格的に日光線系統でも
ビジネス（通勤）輸送にシフトしつつある内容に改正され新栃木や新鹿沼停車が増やされています。
また特に6000系で運転される座席指定・快速急行の乗車率が悲惨な事から運転日が観光シーズン等多客時に特急に乗れない
乗客を補完する程度の存在に限定される事となりました。
＜改正のメインは野田線＞
今回改正のメインは野田線で特に昨年船橋口が高架複線化された船橋線側では新駅・新柏駅の開業と新柏〜増尾複線化や
昨年馬込沢まで複線化された事による馬込沢始発の船橋行きが朝ラッシュ時に2本新設され、劇的に輸送状況が改善される
事となりました。また大宮口では4両編成運用を1本6両に増強し、柏口は6両編成を1本増発したり全体的な輸送力増強
が実施されています。これに伴い大型20m冷房車が16両も増備されています。
なおこの増備に際して七光台区に在籍した8000系冷房車40両を全て5050系冷房車56両に置き換える大規模な車両入れ替えが
実施されました。8000系が七光台区に来た最大の理由は輸送力増強もそうですが3000系列では設置不可な冷房装置対応車で
あった所が大きかったのですが、時代の流れで78型を冷房車に更新出来た事から今回の総入れ替えとなりました。
3000系のランカーブで走る路線に8000系がいても性能的には過剰過ぎた為、本線側に8000系を集約し5050系を野田線に
集約するという合理的な配置となりました。まぁ5050系ですら3000系列に比べたらはるかに性能が良い訳ですが…
8月22日 東上線ダイヤ改正実施
前述したとおり6月24日に営団有楽町が延伸し成増までが2社ながらも実質複々線状態となり池袋口の輸送状況が改善される事
となりました。今回特に大きな点は朝ラッシュ時上り限定で救済的に運転されていた準急のときわ台停車が廃止される事と、
昭和40年から実施されていた朝ラッシュ時上り準急の平行ダイヤ（成増から池袋まで普通を追い越せない）も解消される事と
なっています。一方で有楽町線という競合相手が出来た事から東武として準急の速達性を改善すべく平行ダイヤを解消し、
更には準急に乗客が集中する事が明らかである為、上板橋始発の区間列車5本を廃止し、準急を一気に3本増発しました。
また長編成化が進んだ事から休日の特急も小川町で分断される事となり6両編成の秩父線直通は小川町始発となりました。
11月 1日 最後まで残っていた野田線がこの日より列車無線使用開始となり貨物線以外の全線が列車無線対応となりました。
11月14日 8000系の次代となる地上用通勤車の新型10000系の11801Fと11802Fが竣工し東上線へ配置されました。
今回より5桁番号になるに辺り8000系が4桁から5桁となった事もあってかこの様な事にならないようにと中間の桁は編成両数
で区別するという現代に至るまで他社では見かけない不思議な附番となりました。11801Fの8は8両固定編成という意味です。
8両固定編成は東上線用で年明けには本線用として6両固定編成の11601F,11602Fと2両固定編成の11201Fが登場予定でした。
昭和58年度の新車はこれら30両となります。
11月18日 9000系に続き下板橋構内にて10000系の根津社長以下への社内展示会が開催されました。
12月22日 10000系が東上線にて運用開始となりました。当日は9101F初日同様に池袋駅で担当乗務員への花束贈呈式が挙行されました。
＜昭和58年新製配置＞
本 線(春日部検修区)：81117F,8579F 2編成8両
東上線(森林公園検修区)：81115F,81118F,81119F,81120F,8580F 5編成22両
総数：183編成712両
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▲当時の通勤車の主役は9101Fと
セイジクリームの8000系でした。
ネタがないので引き続き昭和58年度の事業計画パンフレットより抜粋。この年の大きな動きとしては、東上線側において成増まで営団有楽町線が延伸し池袋口の危機的状況をようやく脱しつつありました。そして本線、東上線共に複々線化工事が進んでいました。
【出展】東武鉄道昭和58年度主な事業計画より
（東武鉄道広報センター）
（C）東武鉄道株式会社
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1984年（昭和59年) 館林・新栃木検修区に8000系が初めて配置される
1月13日 8536Fの冷房化改造が完了し8000系・8500系の全ての冷房化が完了となりました。
1月14日 東上線に続き本線用の10000系11601F竣工日となります。
3月の運用開始に向けて習熟試運転が実施されていきます。
1月25日 この日よりまた鉄道旅客運賃が改定され初乗り運賃90円に値上げとなりました。
引き続き鉄道運賃値上げは国鉄に併せて私鉄も進んでいきます。いよいよ初乗り100円が見えてきました。
3月16日 この日より8000系が初めて館林検修区に配置されました。館林区は既に73型が全廃し代わりに78型を配置していましたが、
78型は5000系列への更新の為に8000系が館林区の本線運用を担当する事となった為です。
これ以降も3月末に掛けて合計4編成12両が転属しました。
3月20日 この日より本線でも10000系(11601F,11602F,11201F)の運用が開始されました。
編成数が少ない上に8000系と連結は出来ない事から運用が固定され増結用で製造された11201Fについてもまずは亀戸・
大師線の2両区間での運転となったそうな。
5月 1日 GW期間中に館林区の78型30両を置き換える8000系が春日部区から12編成30両分転属しました。
昭和59年度は先に置き換えた12両を加えた総勢42両の78型が一気に6両固定の5070系へ更新される為です。
8月21日 本線ダイヤ改正実施
10000系6両固定2本(11603F,11604F),2両固定1本(11202F)の14両を新造投入して北千住口の朝ラッシュ時輸送を増強
しました。オフピーク分散乗車が浸透し最混雑時間帯の前後における混雑が悪化してきた為に北春日部出庫春日部
始発の準急3本が設定されました。1本は最混雑時間帯の増発となる為これで北千住口は1時間辺り最大40本運転まで
本数が増加しました。
また下り方で変わった所ではこの改正まで久喜口の学生輸送の臨時として東武動物公園始発の加須行きの73型運用が残って
いました。これは花崎のマンモス高・花咲徳栄高校が開高から3年目を迎え学生数が最大まで達した事に対する通学輸送
対策でした。今回の改正で73型臨時運用を置き換える浅草発の準急館林行きが新設され73型は完全に引退となりました。
本改正より8両編成電車が上り限定運用から下りでも回送にならず営業運転される事となりました。
また東武動物公園〜館林において軌道改良、設備改良が完了し最高速度が急行りょうもう号で90km/hから100km/h、
通勤車(準急)が90km/hから95?/hにアップする事となり所要時間が短縮する事となりました。
なお今回も春日部駅起点方の留置線が1本増設され、いよいよ留置場所の増設は限界に達しました。これ以降は新車両基地の
誕生を待つ事となります。
11月14日 館林検修区に続き新栃木検修区に8000系7編成14両が配置されました。これは最後まで未更新で残る7870型を置き換える為
です。この時期に森林公園区から4編成8両、春日部区から3編成6両の8000系が転属しています。
11月27日 野田線ダイヤ改正実施
昭和59年度の78型更新から長編成化に対応すべく4両固定の5050系から6両固定編成の5070系となりました。
5070系も最初は本線で運用されていましたが、野田線で本改正より七光台〜大宮も大型6両に対応したホーム延長工事が完了
した為今後の5070系は野田線へ集約されていく事となります。
従来小型車だけで運転されていた大宮口に初の大型6両編成運転が開始される事となります。また運用が柔軟になった事から
柏口においても大型6両運用が増えて全線に渡る運用改善が可能となりました。
また野田線各所で終電時刻が延長され、最大は船橋口で37分、柏口では36分、大宮口24分も延長されました。
8000系も前年で新車製造は終わりましたが、転属が多数発生した年として記憶されます。
今後の新車増備は10000系に移行はするものの、圧倒的な本数が存在する8000系が引き続き東武の通勤輸送の主役でした。
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▲8000系の次世代通勤車の10000系
何ていうか…独特な顔つきですよね。8000系と9000系を合体させたかの様な感じの顔を引き継いでいる感じが何となく伺えます。しかし翌年に10000系から更にスマートなスタイルとなった6050系更新車が登場し、それが契機となってか前面スタイルが大きく刷新されました。結果このスタイルは限定的な存在となりました。これから人気出るのかな？
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1985年（昭和60年) 現行塗装の誕生
4月 1日 本線の特急・急行の車内1号車が禁煙車に設定されました。今や全席禁煙ですが…そういう時代があったという事です。
7月10日 東上線全通60周年を記念して全通60周年記念号が池袋→森林公園で10日〜12日の3日間運行されました。(10000系使用)
9月 1日 本線ダイヤ改正実施
11203F,11204F増備により本線北千住口に平日限定で残っていた4両編成運用を6両編成に置き換え混雑緩和となりました。
恐らく10000系2両固定を2両運用に入れて代わりに8000系を本線増結運用に回したかと思われます。
その他大きな変更は前回改正でスピードアップされた急行りょうもう号ですが、本改正より館林以北もスピードアップし
更に東武動物公園〜館林も前回の100km/hから今回更に105km/hへ+5km/hスピードアップしました。
本改正では限界に来ていた朝ラッシュ時の輸送力の最大値アップはせずに弱点箇所の補強にとどまっています。
これは前回改正で留置線の増設場所がなくなってしまったからです。この新たな車両留置箇所を幸手〜栗橋間に建設
していたのがこの頃となり翌年には本線初の10両編成運転が開始される事となります。
9月26日 東武の通勤車の新塗装車が登場しました。従来のセイジクリーム一色のシンプルな塗装の明るさを引き継いだジャスミン
ホワイト基調に対し今回はロイヤルブルー帯とリフレッシュブルー帯が巻かれセイジクリーム塗装登場時に下塗り塗装
で終わっているのでは？とまで言われた地味なスタイルから脱却となるまさに期待の塗装と言えます。
28日には館林検修区にて報道陣へ新塗装がお披露目され、10月から順次新塗装の通勤車が活躍していきます。
思えば初代塗装から9年で2代目塗装となりそこから11年で3代目塗装となりました。20年で2回塗装が変わりましたが、
以降40年近くに渡りこの塗装が変わる事はなかったのですから、優秀な色分けと言えるのではないでしょうか。
なお新塗装は2000系を除く通勤塗装車（8000・5000・3000）に採用される事となります。
10月22日 東上線ダイヤ改正実施
2年前に営団有楽町の成増延伸で状況が大きく変わった東上線でしたが、特に準急の平行ダイヤがなくなった事から準急を
増発したものの予想以上に乗客の集中が激しかった為に更に準急を増発しました。これは単純に本数増ではなく従来普通を
準急に格上げする事で対応しています。
一方で池袋口の輸送力増強以上に志木以北の改善が急務となりました。これは同年9月30日に国鉄埼京線が開業し更に川越線
が従来の非電化ローカル線から埼京線と直通する通勤新線として電化路線に改良された事で川越から東上線と池袋まで競合
する路線として進化した為です。従来西武鉄道線がライバルだった訳ですが、国鉄埼京線もライバルに加わる事となりました。
この為特に上福岡始発と志木始発の列車を川越市まで延長する事で本数を増やす対応を図りました。
また帰宅時間帯は急行の輸送力増強と運転本数を増やす対策を取りました。
10月28日 6000系の車体更新・冷房車6050系6151Fが誕生し業平橋で社内展示されました。
8000系ら通勤車の塗装変更も衝撃でしたがこちらの進化はそれ以上であり8000系らと同様のジャスミンホワイト基調の明るい
色に側窓上部にパープルルビー、窓下にはサニーコーラルとパープルルビーを1線配した日光方面の燃える紅葉をイメージ
させる鮮やかな配色とスピード感の感じられるスマートな前面スタイルに改良されました。マジでカッコイイです。
この車両の与えた影響は絶大で今後の通勤車のスタイルや果ては新特急の色にも同色が採用されている程です。
11月15日 6050系が運用入りしました。当初は非冷房の6000系と連結しながら運用されました。
11月19日 野田線ダイヤ改正実施
5070系2編成12両が追加配置され、大宮口・柏口に最後まで残っていた朝ラッシュ時の小型4両運用を
6両編成に増強しこれにより野田線の全運用が6両編成になりました。また船橋線側では増尾〜逆井が複線化され柏口
（新柏方）の本数が1本増えました。これで利用者が増え続け悪化していた同口の混雑率の緩和に繋げました。
こうして以降40年続く8000系の現行塗装での活躍がスタートしました。両数数が多すぎるので全てのセイジクリーム塗装がいなくなるのは1988年となりますし、2000系については地下鉄直通車で区別の為に引退までセイジクリーム塗装で残る事となっています。
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▲この年より現行塗装が登場しました。
こちらは既に前面の補助灯が撤去されていますが、当初は補助灯が残ったまま新塗装で登場するのが一般的な姿でした。翌年より8000系の修繕工事が開始されますがその動きを見ながら腐食の原因となる補助灯の取り外しが開始されていきます。
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1986年(昭和61年) 8000系修繕工事開始と現代の東武電車の拠点・南栗橋の誕生
▲この年より8000系の修繕工事（リフレッシュ工事）が開始されました。5050系5157F以降当たり前になっていた電動幕も完備しています。
電動幕にする際に幕も新調され字体の変更がされています。特に上の未修繕車と比較すると準急の文字が丸っぽく大きくなっているのが伺えます。
画像は修繕工事第一編成となった8104Fです。なお当時はまだ前面に編成番号の記載はありませんでした。
6月25日 登場から20年以上が経過した8000系リフレッシュ工事として修繕工事が実施されました。修繕という表現は建物の修繕と一緒で3000系・5000系・6000系らとは異なり
元の車体を活かしたままという点が特筆されます。元の車体は活かしつつも側面に電動自動巻き取り式の行先・種別幕が増設されたり内装の変更、サービス機器の増設
による車両のグレードアップ工事をしつつ、屋根・配管等の劣化部分の総やり替えを行い新しく生まれ変わる事となりました。
これ以降712両中696両が修繕工事される事となりますが、時代の流れに合わせ年々修繕メニューも進化していく事となります。
7月 7日 修繕第一号の8104Fが本線で運用入りしました。
7月20日 この年の6月末時点で8000・5000・3000の全編成のうち27％300両程度が新塗装化されており着々と数が増えていました。
この頃より西新井工場に車体塗装乾燥装置が4基完成しました。実はそれまで杉戸・川越工場では問題なかった塗装工程ですが、西新井工場では新塗装化による工程数増が影響し
従来設備では日程が回せないと2両固定までは新塗装に対応出来ていましたが、4・6・8両固定編成はセイジクリームのまま出場していたのです。
この装置完成により西新井工場でも4・6・8両固定編成の新塗装化に対応が可能となり、一気に新塗装化が加速してきます。なおこの装置完成までに止む無くセイジクリーム
にて出場した編成が最後までクリームで残る事となりました。
8月26日 東上線側の第一段となる8108Fの修繕工事が完了しました。早速8104Fから一部改良内容が追加されています。
なお東上線では種別表示は相変わらず正面サボで表示していましたが、9101Fや10000系では電動幕の採用により自動で表示する為サボ受け自体が省略されていました。
今回8108Fも正面サボ受けは残されましたが、表示方法自体はステンレス車達と同じ電動幕となった為に正面サボによる種別表示はしない事となりました。
8月26日 本線ダイヤ改正実施 ＜日光線に南栗橋駅・杉戸高野台駅が開業し南栗橋に春日部検修区南栗橋派出所を開所し本線初の10両編成運転が開始＞
S51年11月に東上線で東武初の10両編成運転が開始されて約10年ですがついに本線でも10両編成運転が開始されました。
今回新たに開業した南栗橋駅の終点方に10両編成対応の留置線が5本新設され留置箇所不足の問題も解消されました。今後の増発を見据えた広大な土地も確保する事が出来た事で、
本線での10両編成運転開始が可能となりました。今後は日光線側だけでなく伊勢崎線側の10両編成運転開始に向けて設備改良を進めていきます。
従来幸手始発だった各列車は全てが南栗橋始発となり、南栗橋始発の3本が10両編成となり1本は新栃木始発の6両が南栗橋で後ろ4両を増結する様になっています。
10両編成運転開始に際して北千住駅の停止位置の調整等も行われています。こうして現代の東武電車において最も重要な拠点となっている南栗橋がこの日より誕生しました。
9月 1日 9月以降より客室の座席モケットが従来の金茶色から現代まで続くグリーン基調で縞模様により着席区分表示をしたものに取り替えが始まりました。
つまり修繕車も8104Fと8108Fまではグリーンではなく金茶色シートで最初は登場していました。8127Fと8509Fは時期的に既にグリーンで登場していたかと思われますが…
9月21日 6000系の6050系への更新が順調に進み最後の6000系となった6116F(更新後6172F)によるさよなら運転が東武日光→新栃木にて実施されました。
10月 9日 野岩鉄道会津鬼怒川線が開業し東武鉄道と相互直通運転が開始されました。これに併せて浅草、新藤原、会津高原の各駅にて盛大な開業式典や多彩な記念イベントが開催されました。
10月 2日 8509F修繕完了
10月11日 8127F修繕完了
11月 1日 貨物ダイヤ改正で東上線から貨物が引退しました。
12月 3日 8111Fの修繕工事が完了しました。東上線では8108Fに続く2本目がこの8111Fでした。この後、8112Fの修繕も完了しこの3編成が東上線で最後まで残る幕式・原型顔となりました。
こうしてこの年より8000系の修繕工事が開始されました。新造期間が20年ですが、それ同様に今度は20年にも及ぶ長い修繕工事期間が始まります。
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1987年（昭和62年)前面番号記載開始と8000系更新顔の誕生
2月 2日 8112F修繕完了
3月28日 8516F修繕完了
3月30日 8130F修繕完了。以上86年度修繕車は顔が更新されずに活躍し続ける事となりました。
4月頃？ 車両運用上による不明確さを解消する為に編成番号を一目でわかる様前面に車号が表示される事となりました。
作業自体は1か月程度で完了したとの事で今のファンからすればそれが普通に感じますが昔の東武電車は前面に編成
番号が記載されていなかったのでキチンと記録しておかないとどの編成かが分からなくなってたかなと感じます。
国鉄・JRみたいに編成番号札を出していれば良いのですが、そのどちらも記載しないのが東武電車でした。
5月27日 営団有楽町線相互直通運転に向けて9000系量産車1号の9102Fが東上線に到着しました。
既に東上線から貨物用の電機機関車が引退していた事から寄居に到着した9102Fは3日間に分けて5000系に牽引され
森林公園検修区に回送されています。
7月 2日 87年度の修繕工事第1号となる8107Fの修繕工事が完了しました。
今年度からは前面スタイルが大好評の6050系スタイルにするメニューが追加され、運転台・計器の配置がデスクタイプに
変更される等更に大きく改良されました。
7月21日 本線ダイヤ改正実施
来年に控えた竹ノ塚〜草加の高架複々線完成前最後の改正となります。この改正で伊勢崎線に続き日光線の通勤快速も廃止
される事となりました。昨年改正で準急で10両編成運転が開始されましたが今回は10両運用の増発はなく、北千住8時30分
以降に到着する電車で6両運用だったものを8両編成にする増結が実施されました。
その他細々した改正となっていますが、昨年開業した野岩鉄道の影響が大きく出ており早朝時間帯に会津高原行の快速が
設定された事や浅草から東武日光までノンストップ運転されていた朝のけごん号を全て下今市駅に停車させ鬼怒川方面への
接続を改善しています。東武日光までノンストップ特急の歴史もここで終わりとなりました。
伊勢崎線側では年末に1800系の最終増備車1819Fが誕生する予定となっておりそれに対応したダイヤ設定がされました。
8月24日 8103F修繕完了
8月25日 東上線ダイヤ改正実施 ＜営団13号線（有楽町線）との相互直通運転開始＞
この日より東上線と営団有楽町線の相互直通運転が開始され、和光市〜志木の複々線も完成・使用開始となりました。
朝ラッシュ時に新たに通勤急行が誕生しました。これに併せて優等列車本数を増やし池袋〜成増の優等と普通の比率が
完全に１：１となり混雑分散を図りました。
日中時間帯は急行の運転本数を1本増やし時間辺り3本（20分間隔）を4本（15分間隔）に増発し小川町以北と越生線も
接続する急行の増発に併せて運転本数が増やされ、全線において輸送状況が大きく改善されました。
一方で有楽町線への旅客転移も見越し運転本数の一部削減も行っています。
11月頃？ ダイヤ改正直後は未修繕8000系については種別表示をサボで継続して行っていましたが、今秋頃より種別表示は幕表示に
統一する方式に改められました。つまり新たに誕生した通勤急行サボは極めて短期間限定の使用となってしまいました。
これ以降東上線所属車に限定して8000系の前面サボが撤去され始めました。(一部編成除く)
10月 7日 8106F修繕完了
11月 1日 東武鉄道創立90周年となったこの日、90周年事業として玉ノ井駅高架下に交通博物館の建設が発表されました。
11月28日 8102F修繕完了
12月 1日 野田線ダイヤ改正実施
柏口と船橋口で小型車の大型車化を進め、柏口は運転本数を増やし混雑緩和を図りました。
なおこの改正に伴う増備に日比谷線直通の2000系を改造した6両編成1本を投入する予定となってましたが、
新車(20000系)が翌年誕生という事で結局2000系を改造した2080系の出場は翌年5月末となっています。
つまり結局何か別の車両で代用したと思われます（5070系？）
12月17日 7月21日の改正で1800系1819Fの新造を考慮したダイヤ設定となっていましたが、この日より運用開始となりました。
1819Fは1818Fから実に14年ぶりの増備となった為各所で時代に併せた改良されたグレードアップ18型と言われたそうな。
12月21日 交通博物館建設が発表された玉ノ井駅が東向島駅に改称されました。
この年からは前面更新車の登場も大きな出来事ですが、原型顔含めて前面に編成番号の記載が始まったのも大きな変化と言えます。
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▲6050系を彷彿とさせるスタイルに変身しました。
87年度修繕車からは前面スタイルを現代ではお馴染みとなったブラックフェイスに変更となりました。この前面スタイルをするに当たってはいくら修繕と言えどそのままでは無理な為に、前面部分については床面から790ｍｍ（79ｃｍ）以上から屋根部から300ｍｍ（30ｃｍ）までを切断撤去し新形状の前面板を溶接し構築されています。
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1988年（昭和63年)昭和最後の年と本線草加までの複々線延伸へ
1月30日 日比谷線直通用の新型冷房車20000系21801Fが誕生しました。
2月には21802Fが誕生し、3月の営業入りに向けて習熟試運転等が実施されました。
また同じく2月〜3月に掛けて10000系を早くもモデルチェンジした10030系・10080系が誕生しています。
特に新10000系は前面スタイルが8000系更新顔のステンレス版と言える程に似ており、ひいては6050系の優秀な
デザインを踏襲したスタイルとも言えます。本当に6050系が東武電車に与えた影響は大きいと感じます。
2月 4日 8110F修繕完了
3月25日 20000系が営業入りし、東武動物公園駅では就役記念セレモニーが開催されました。
3月31日 8105F修繕完了。以上87年度修繕車までは運転席後ろに窓開口が残りました。
5月18日 鉄道旅客運賃が改定され、初乗り100円に到達しました。
6月 1日 この日より鉄道用プリベイトカード・とーぶカードが発売されました。
6月 8日 営団有楽町が新富町から新木場まで延伸されました。9000系の新富町行きは1年経たず見納めとなりました。
6月20日 6050系新造車7編成14両がこの日より運用入りしました。会津鬼怒川線開業後は輸送力不足に悩まされており3070系
に加えて8000系も臨時輸送に加わっていました。またそもそも6050系自体も野岩線内が2両編成での運転となっており
これを解消する為に東武が14両、野岩が2両6050系を増備し増結を実施するものです。
これで東武線内は6両編成、会津高原までの4両編成を増やす事が可能になりました。
6月29日 野田線に2080系が就役しました。20000系2編成投入により2000系の置換が開始されましたが昭和46年の8両化の際に
製造された若い車両を再利用するという手法が取られ、2080系化の為に2000系の編成も組み替えて対応したそうです。
この車両が短命なのは有名な話ですがそもそも当時は大型冷房化を進めていたにも関わらず何故小型・非冷房車を改造
してまで投入するという判断になったのかと改めて疑問に感じる所ですが当時は3000系の廃車も開始されており更には
上毛電鉄へ3000系の譲渡もあったのも影響していたのかどうかです。
オールM組成にはせずにそれでも強力な4M2T編成で加速は相変わらず優秀過ぎて釣り掛け天国の野田線には扱いづらい
車両だった模様…。
7月 1日 トップナンバー8101Fが修繕完了
8月 9日 8114F修繕完了
8月 9日 竹ノ塚〜草加複々線完成による本線ダイヤ改正実施
昭和49年7月に竹ノ塚まで複々線が完成してから14年が経過しついに草加まで複々線区間が延伸しました。
今後北越谷まで複々線が予定されていますが、当時は既に綾瀬川前（新田〜蒲生）まで工事自体は進んでいました。
本改正では朝ラッシュ時の輸送力増強として準急が更に4本10両化されています。また複々線区間が延びた事で竹ノ塚
始発の普通を草加始発に延長し草加・谷塚の混雑緩和を図っています。
今回特に目立った改正点としては日中の準急がそれまでの1時間4本から6本に増発し10分間隔運転が開始された事です。
これは日光線側が東武宇都宮行きの準急のみだったのを、南栗橋行きと新栃木行きの準急を新設した事で伊勢崎線側と
同じの1時間辺り3本の準急運転となっています。（伊勢崎行きのみＡ準急）
また羽生止まりの準急のほとんどが館林まで延長され羽生行きが珍しい存在となりました。宇都宮線で新たに快速急行
しもつけ号が誕生しました。
本改正では南栗橋の留置線が3本増設され、車掌区と電車乗務区も新設されました。
またこの改正より営団側でも北千住始発の増発を実施しており新型車両03系が7月に誕生していました。
10月 6日 8131F修繕完了
10月11日 8519F修繕完了
11月21日 北千住駅の混雑緩和対策として浅草駅迂回乗車特例が開始されました。
内容としては定期上は北千住から日比谷線で上野まで行き上野から銀座線に乗り換えるお客様に対して適用されるもので、
日比谷線の混雑が凄まじい事から迂回特例として東武線で浅草まで行きそこで営団銀座線に乗る事も出来る様にするという
内容です。…そんな人がいるのかどうかだしそれなら最初から銀座線を使うのでは？と思えますが何せ日比谷線経由だと
上野まで最も速い所があるので案外そうでもなかったのかもしれませんね。
12月 6日 8109F修繕完了
昭和62年から野田線3000系の廃車が開始され、10000系列を本線に入れては玉突きで5000系列を野田線に入れて3000系を置き換えるという動きとなっていました。
一方で5000系列の数にも限りがある為5000系の投入が終わると必然的に次は8000系の順番となっていきます。
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▲わずか1年で廃止された昼間の浅草発藤岡行き
88年に草加まで複々線区間が延伸し本線の輸送形態が大きく変わりました。小ネタとしては前年ダイヤ改正で昼間時間帯に南栗橋止まりの普通を藤岡まで延長運転となり栃木側ではそれなりに見れた藤岡行きが南側でも見れる様になった訳ですがこの年の改正で準急新栃木行きに格上げされ速攻で消滅しました。
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1989年（昭和64年/平成元年)
野田線に8000系再配置と東上線池袋からの秩父鉄道乗入れ復活
1月 7日 昭和天皇崩御により、新元号平成へ。
2月 1日 8132F修繕完了
2月13日 8503F修繕完了
3月10日 前年に修繕工事されたばかりの8101Fが野田線へ配置されました。昭和58年7月に野田線から8000系が消えて以来
約5年ぶりの復活となります。
当時3000系名目で10030系が製造されましたが、10030系を本線用とする代わりに8000系が配置されたものです。
3月31日 8113F修繕完了
4月 1日 前年12月に消費税法が施行となり4月1日から消費税3%が導入される事となり、この為消費税相当分を転嫁する
運賃改定の申請を2月8日に提出しました。そして予定通りこの日から運賃改定となっています。
東武だと近距離は据え置きですが11km以上からは運賃が+10円〜加算される様になります。
5月20日 東向島駅構内高架下に東武博物館がオープンしました。
6月 6日 8517F修繕完了
6月 7日 日光線の花形特急車両がニューモデルになる事が発表されました。特に民鉄で初となる個室が配備される事で話題に。
6月 9日 8122F修繕完了
7月27日 8133F修繕完了
8月 7日 8511F修繕完了
8月30日 本線高架複々線工事が草加市を超え越谷市区間も着工されました。この段階で北越谷駅は1面2線から2面4線の
ホームへ計画が改められています。
10月 4日 8116F修繕完了
10月12日 8513F修繕完了
10月24日 東上線ダイヤ改正実施 ＜10000系28両増備・池袋発着の秩父線直通列車復活・小川町駅新1番線ホーム新設＞
東武初の地上専用の10両固定編成である10030系11031F,11032Fの2編成新造と10000系の11803F~11806Fを10両化する為
の中間2両×4の8両の合計28両が新造されました。これによって東上線は終日の8割が10両編成で運転される事になりますます
長編成化が進みます。朝ラッシュ時も有楽町線が開業した事で池袋口の混雑は大きく緩和されたものの沿線に多数の高校・大学
がある為下り方面の輸送力の増強が必要になった所を増発・増結する内容となっています。
今回より小川町駅に新1番線ホームが新設され従来2面3線だった事から対面乗り換えが出来ない所を全運用対面
乗り換えが可能となりました。そして昭和58年改正時に長編成化が進んだ事から休日も小川町分断が始まった
秩父直通輸送ですが、西武線側の池袋始発の秩父直通運用が開始された事から追従する様に東武側も復活させる事と
なりました。しかし西武側の方が速く便利でしかも秩父直通専用にセミクロスシートの新型4000系が誕生しており
東武が敵う要素はほぼ無しという厳しい状態は変わらずでした。結局この3年後に終焉を迎える事となります。
11月28日 野田線ダイヤ改正実施
六実〜鎌ヶ谷間に新鎌ヶ谷信号所を設置し六実〜新鎌ヶ谷信号所間が複線化されました。これにより従来
馬込沢始発だった列車を六実始発に延長する事が可能となりました。
また前回改正以降に36両の小型車が大型車両に置き換わっている為車両運用を見直し各主要口において車両の
大型化を拡大していきます。その他終電の延長を実施しました。
12月12日 8121F,8523F修繕完了
再び野田線に8000系が配置されました。一方で東上線側に冷房化された5000系列が残っており今後は5000系を野田線に集約し3000系を置き換える動きが更に進んでいきます。
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▲8000系が数年ぶりに野田線に配置
昭和62年より長年昭和の苦しい時代の野田線通勤輸送を支えてきた3000系の置き換えが開始されました。冷房化も使命であった事から78型更新の5000系列の投入を優先的に行ってきましたが全置き換えには至らない為この頃より8000系による置き換えも開始されました。当時新造されていた10000系は3000系代替え名目の車両もいましたが、10000系列は本線・東上線に投入し代わりに8000系や5000系列を野田線に送り非冷房・小型の3000系を置き換えるという流れです。
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1990年（平成2年)特急スペーシア誕生と本線優等列車大改革の年
2月 7日 8117F修繕完了
2月21日 8504F修繕完了
2月28日 新特急の愛称が発表されスペーシア＜けごん・きぬ＞に決定しました。
3月20日 野田線に8000系2編成目となる修繕工事済の更新顔・8109Fが配属されました。
3月28日 8508F修繕完了
3月30日 8136F修繕完了。以上89年度修繕車となります。
6両固定編成の修繕がひと段落したので編成ピッチが速くなっています。（年間36両ピッチは変わらず修繕実施の為）
3月28日 100系スペーシア第一編成が東武線内に到着し、業平橋で展示してから西新井工場へ入荷されました。
6月 1日 100系スペーシアが就役しました。さぞや盛り上がったでしょうなぁ…。
6月28日 8118F修繕完了。なお後に8518Fと共に6両固定化される同編成ですが最初は4両固定のまま修繕されました。
7月 5日 8506F修繕完了。まさかこんなに長生きする存在になるとは…
8月27日 8120F修繕完了
8月31日 8527F修繕完了
9月25日 本線ダイヤ改正実施 ＜業平橋駅に都営連絡ホームが新設される＞
一昨年に北千住混雑緩和対策として浅草迂回特例制度が開始されましたが今回営団銀座線に続き都営浅草線にも乗客を分散
すべく新たな迂回制度が誕生しました。従来浅草では東武線ホームから都営ホームまでの距離が長く乗り換えがしづらかった
為今回新たに都営京成押上駅に近い業平橋駅構内の不要になった貨物線を撤去し押上への乗り換えホームを新設しました。
このホームは2面3線な上に10両編成の停車も可能となっており従来の曳舟止まりの10両編成電車が全て業平橋まで運転が可能
となりました。これはラッシュ時の過密な運用を考えても有効でした。そしてこれにより都営浅草線への乗り換えが浅草より
しやすくなった事で都営浅草線内の定期を持つ人を単純に優遇する事で東銀座までは日比谷線と並行気味に走る浅草線へ
利用客を流し極論日比谷線の利用者を減らそうという営団からしたらマイナスな制度と言えました。
それほどまでに営団日比谷線と東武北千住駅の状況は混迷を極めていたのです。東武北千住駅も重層化の前段取り工事として
ホームの大拡幅工事が実施されていました。(上りホームは従来の9.4m幅から14m幅と約1.5倍の広さに拡幅される事に)
今回の改正はこの業平橋新ホームを活用したダイヤ改正となっています。
まず本改正より伊勢崎線・館林方面においても上り準急2本にて10両編成で業平橋行きとして運転が開始されました。
従来の10両編成運用は浅草まで乗り入れが出来ない為に曳舟止まりでその後業平橋で折り返し回送となっていましたが、今回
南栗橋始発と併せて6本が10両編成でいずれも業平橋行きとなった事で浅草と違い運転本数も多くなり都営に乗り換えがしや
すくなった事を改めてアピールしています。
他では伊勢崎線上り準急においては最混雑時間帯前後の6両編成準急3本を8両編成に増強し前後時間帯に溢れたの乗客で混雑
していた列車の混雑緩和を図っています。更に同時間帯に準急を新規で3本設定し少しでも最混雑時間帯の混乱を減らそうと
前後時間帯の利便性向上も進めています。
また夜ラッシュ時において初の8両編成準急が運転開始となりました。これらは全て業平橋始発の南栗橋行きとして6本設定
されています。ここでも8両・10両が停車可能な業平橋新ホームの威力が発揮されています。
普通車だけでなくビジネスライナー制度を拡大し通勤定期券で乗れる優等列車を増やす事で同様に最混雑時間帯以外を使う人を
優遇しようとあの手この手の苦労が垣間見えるのが本改正の特徴と言えます。
10月12日 会津鉄道会津高原〜会津田島が電化され東武・野岩との3社相互直通運転が開始されました。
兼ねてから南会津の中心である田島町へ直通電車をという地元の思いがかなった瞬間でした。
10月26日 8137F修繕完了
11月 2日 この日より森林公園検修区に残る釣り掛け5000系・5050系の七光台区転属が開始されました。
東上線に10030系28両を投入して5000系・5050系28両を順次七光台区に転属させ3000系を置き換える動きとなります。
11月16日 8505F修繕完了
11月16日 新200系201Fが入荷しました。その後12月5日業平橋で社内展示されてました。なおこの展示は新ホームにて行われました。
14年ぶりに増備された1819F誕生からわずか3年で新型（？）誕生となったのが何とも言えないタイミングでした。
12月19日 野田線ダイヤ改正実施
11月から東上線より5000系列が転属した事で順次3000系を置き換える事で大型車運用を増やす改正となります。
一番大きな変化点としては昼間の春日部口の運転本数が増やされました。
これは従来は1時間辺りたった3本しか走らなかった岩槻〜運河が増発されて1時間4本の15分間隔運転となったものです。
12月25日 8507F修繕完了
昭和62年から野田線3000系の廃車が開始され、10000系列を本線に入れては玉突きで5000系列を野田線に入れて3000系を置き換えるという動きとなっていました。
これによりとうとう5000系162両の全てが七光台区に集まったものの3000系列全置き換えには至らない為に今後の置き換えは必然的に8000系の順番となっていきます。
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▲徐々に増える更新顔8000系と新特急スペーシア
平成2年は東武本線の優等列車の大改革が行われ、100系スペーシアを投入しDRCを置き換え、DRCを種車に200系が誕生し、200系で1800系を置き換え、1800系を300・350系に更新し、300・350系で6050系の快速急行運用を急行に置き換え、空いた6050系によって5700系が担当した波動輸送を引き継ぎ当時鉄道ファンの間でも話題の存在だった5700系を置き換えました。
▲まだまだ珍しい存在の更新顔(8137F)
なんだかんだで修繕車も100両を超えていましたが本線・東上線・野田線に分散配置だったので珍しい存在は変わらず。何せ183編成も製造されていますからね…
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1991年（平成3年)5000系列が野田線七光台区に集約し以降の3000系置き換えは全て8000系にて実施へ。
▲この年で5700系とDRCの両雄が一挙に引退へ…
1月16日 8510F修繕完了
1月25日 最後まで東上線に残った釣り掛け5152Fが七光台区に転属し、これで東上線・越生線からは一足先に釣り掛け駆動電車が消滅となりました。
ちなみにこの回送に際しては8000系と連結して秩父線内を走行しているのが特筆されます。これは5000系や5050系の補助電源がBLMGの為、誘導障害対策としてBLMGを使用していない
8000系が搬送車として使用されたものです。当時はまだ秩父鉄道にATSはなかったのでDC-MG編成なら編成の指定はありませんでしたが5000系も補助電源は使わないもののパンタを上げて
8000系と共に秩父鉄道線を走行しました。性能の違いはあれどブレーキは同じHSCなので運転自体は可能な為でした。
なおこれ以降東上線に新車が入った際は寄居からは分割の上5000系列が牽引していましたが今後は8000系となります。
この措置は以降50000系第一編成が入荷する2004年まで続く事となります。(51002F以降は自走の為)
2月 1日 急行りょうもう号に200系が就役しました。
2月 8日 8520F修繕完了
3月頃？ 東上線の8108F,8111F,8112Fは修繕されたばかりなのもあってか前面サボが残されたままになっていましたが、この頃になって未修繕車同様に前面サボが撤去されました。
この時期に吊り手の増設だったり、乗務員室扉下に取っ手が増設されたり本線とは異なる独自のタイミングで追加改造がされていたのでそれと併せて実施されたのかなと思われます。
3月10日 1800系を更新した日光線の新急行用300系301Fが誕生。
3月14日 8135F修繕完了
3月24日 引退近付く5700系が鉄道友の会エバーグリーン賞を受賞。
4月 4日 8502F修繕完了
7月21日 この日より本線の快速急行が急行に格上げされ運転車両も6050系から300・350系に変更されました。また5700系も前日7月20日に引退となる為さよなら運転が実施されました。
8月31日 5700系に続き100系投入で順次運用を離脱していたDRC1720系もこの日で引退となりました。ちょうど100系スペーシアが鉄道友の会ブルーリボン賞受賞式が9月8日に運転された日に
改めてさようならHMを掲出したDRCと並べて記念撮影会が東武日光駅で行われました。平成2年から平成3年は東武電車にとってまさに激動だったなと感じる所。
9月 2日 8528F修繕完了
9月 9日 3000系代替新造の10030系誕生により8000系が続々野田線へ転属となりました。
8114F（修繕車）がこの日森林公園から七光台へ転属し、その後10月に8107F、11月に8102Fと修繕車が次々と七光台へ。
10月 4日 8125F修繕完了。修繕完了と同時に館林区から未修繕の8149Fと入れ替えで森林公園区へ転属しました。
11月20日 鉄道運賃・料金が改定されました。初乗り運賃110円へ。その他特急・急行運賃も軒並み値上げへ。
スペーシアの個室は4800円から5280円になりました。2023年現在は3770円と考えると…不思議な感じですね。スペーシアXは6040円なので一応面目躍如か（？）
11月25日 8115F・8515F修繕完了。6両編成運用の野田線の為に6両固定以外から6両固定編成を組成する初の試みが実施されました。
こうして新たに6両固定編成の8115Fが誕生しました。そしてそのまま七光台区へ3000系代替投入となります。
11月26日 野田線ダイヤ改正実施
前述の通り8000系修繕車が4編成入り3000系を置き換え更なる大型化が進みます。また船橋線側では柏〜新柏が複線化され朝ラッシュ時は一気に3本増発と劇的に本数が増え混雑を一気に
50％も緩和しました。日中時間帯についても柏〜船橋は10分間隔運転（6本/h）となり利便性が一気に向上しました。また併せて全車大型冷房車化も達成となっています。
一方大宮口側については同様に大型化は進んだもののわずかに小型車運用が残る形となりましたがこれらも残りわずかとなり翌年には全車大型化・冷房化率100％が達成される事となります。
12月 9日 本線・東上線ダイヤ改正 ＜東上線は輸送力増強と終電延長に土曜日ダイヤの誕生、本線は終電延長メイン＞
両本線とも夜間輸送を強化する改正となっておりバブル期の華やかさの一方で倒れる事も許されない激務で日本の景気を支えていた当時のサラリーマンらを象徴するかの如く終電が初の
25時台（午前1時台）に突入する事となりました。一方で週休二日制も徐々に浸透しつつある為東上線では平日と休日ダイヤをミックスした様な土曜日ダイヤが設定される事となりました。
朝ラッシュ輸送に関しては9000系9108Fが増備され有楽町線直通開始後初めて増発が実施されました。また通勤急行と普通を1本ずつ増発し、一部8両編成の10両化が行われています。
夜間だと夜の下り急行の運転を大幅に拡大し特に20時台の池袋発はそれまでの20分間隔が12分間隔にまで増発されています。
本線側では浅草発の最終準急が68分も繰り下げされ、更に行先が北春日部行きという変則列車が誕生しました。
これら25時台の終電延長はあくまで月〜金に限定されています。当時は土曜日は休日とは呼ばないので月〜金運転という文字が時刻表に掲載される事となります。
とこんな感じで東上線に土曜日ダイヤというのが設定はされたものの、朝には通勤急行が運転される等、まだまだ完全週休二日制とまではいかない時代でありました。
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1992年（平成4年)長年続いた東上線の秩父鉄道直通運転が廃止に
▲1992年3月29日(日)で東武東上線から秩父鉄道への直通運転が廃止されました。
画像は87年頃記録の秩父乗入れで活躍してた頃の8111Fですが最終日の運用も8111Fが担当しています。
繰り返しですがこの頃には前面のサボ受けは取り外されています。
1月14日 8512F修繕完了
2月 6日 8543F修繕完了
2月25日 8521F修繕完了
2月~3月 七光台区の3000系列を置き換える為に8000系6両固定編成が立て続けに転属しました。
修繕済の8103Fと8113F、未修繕の81110Fと81113Fとなります。110Fも113Fも将来的には野田線が安住の地となりますが
この時はまだ一時的な配置でした。110Fも113Fも後々修繕時には話題の編成になるのはもう少し先の話。
3月 1日 本線・東上線の6駅に自動改札機が導入されました。
昭和47年度に大師線の無人化による処置として西新井駅に自動改札機が導入されましたが、ちょうど約20年経って
やっと本格導入となりました。本線側ではこの日より高架複々線化の関係で高架駅に移行した新田・松原団地の2駅と
東上線側では池袋（北口）・みずほ台・川越・高坂の4駅の計6駅です。ここから東武の自動改札機の拡大が始まります。
その後9月に小菅・梅島・北池袋・下板橋に導入され、その後10月下赤塚駅、11月ときわ台駅と続けて導入されました。
3月14日 8501F修繕完了。85型トップナンバーもここで更新顔へ。
3月29日 この日で東上線からの秩父鉄道直通運転が廃止となりました。最終運用は8111Fが担当し静かにその歴史に幕を下ろしました。
これ以降は寄居止まりとなりますが特急たまよど復活ならず、ただの特急表示となってしまいました。
3月30日 8139F修繕完了
4月 1日 秩父鉄道が4月1からATSを使用開始するに併せて従前から実施されていた秩父鉄道線を介しての相互車両移動用に8000系の
一部編成に秩父ATS対応工事が実施されました。4月の段階では今も生き残る8506Fのみが対応となり、後程8505Fと8510Fも
改造工事され3編成が秩父ATSに対応した唯一の8000系となりました。
5月末頃 6月10日に東武池袋大増床リニューアルオープンを記念して森林公園区の全編成に記念HM、車体広告が施されました。
東武初の車体広告がこの時かと思うのですが、それも所属全編成にする気合の入りっぷりでまだまだバブル経済がはじけよう
とも景気が良かった時代だなというのを感じさせます。
本線側でも日比谷線直通用の20000系に広告電車を走らせる等東上線だけでなく本線側でも大々的な宣伝が行われました。
7月頃には撤去されているみたいなので1か月程度で終わったんですかね？
6月15日 8129F(4R),8529F(2R)修繕完了。8529Fを中間改造し8129F(6R)に生まれ変わりました。同時に七光台区へ転属。
6月15日 8522F修繕完了。8529Fと入れ替わりで館林区に配置。
6月15日 8138F(4R)修繕完了。8129F(4R)と入れ替わりで館林区に配置。
7月10日 東上線の鶴瀬〜上福岡間に急行も停車する新駅ふじみ野（仮称）駅の建設と周辺の住宅開発に着手しました。
従来急行は志木を出ると川越まで止まらずに準急・普通と5駅も停車駅に差がある事に加え途中に追い越し設備が無かった事
から長年ダイヤ構成上の難点であり特にスピードアップという点で限界が出ていました。
今回2面4線で緩急接続が可能な同駅が誕生する事は志木以北のダイヤが大きく改善される事となります。
9月21日 本線ダイヤ改正実施
伊勢崎線館林以南で唯一単線区間となっていた羽生〜川俣の難所・利根川橋梁がようやく複線化されました。
駅間の長い(4.3km)単線区間が解消された事で急行りょうもう号の1往復増発や待ち合わせなくなった事で所要時間が
1分〜最大8分の短縮が実現しました。一方で館林まで複線化された事により羽生行きが消滅する事となりました。
しかし全日において館林発着が増発出来る事から利用者には意義のあるダイヤ改正となります。
ラッシュ時は引き続き8両・10両化が進められ、準急において北千住7時19分〜9時4分着までの23本が8・10両編成での
運転となりました。他にも帰宅時の下り準急混雑緩和として前回改正で誕生した業平橋始発の準急南栗橋行き(8連)を
2本増発し、終電間際にはれまた前回誕生した浅草発の準急北春日部行きの変則列車を更に1本増設しています。
また伊勢崎線メインの改正になっていますが大きな目玉は特急スペーシアにて関東私鉄初の120km/h運転が開始されて
います。ちなみに100系の120km/h運転区間は南栗橋〜栗橋、藤岡〜静和、家中〜樅山とそんなに長くないという。
最高115km/h区間を含めると半分程度になりますが…また上りは下り勾配がある為更に速度は抑えられています。
10月 2日 8140F(4R),8540F(2R)修繕完了。8540Fを中間改造し8140F(6R)に生まれ変わりました。同時に七光台区へ転属。
代わりは8137F(修繕済)と8538F(未修繕)が6月〜7月に掛けて入れ替えで館林区へ転属していました。
10月30日 8518F修繕実施。既に修繕済だった8118F(4R)の中間車として修繕され8118F(6R)に生まれ変わりました。
またこれと同時に七光台区へ転属。
10月30日 8119F修繕完了。8118Fが館林区所属だった為入れ替わりで館林区に配置へ。この頃は館林区にも修繕車が配属してました。
12月 1日 野田線ダイヤ改正実施＜ついに全車大型冷房化達成＞
前述の通り修繕され6両固定化された8000系や修繕されていない8000系(直前に81114Fも転属)含め七光台区へ6両固定の転属
が行われついに最後まで残った3050系と2080系の小型・非冷房車の置換が完了し全編成が大型冷房車となりました。
旧3000系列置き換えにより本線系列で実施された様に32型(3000系列)から78型(5000系列)ベースの運転速度に
スピードアップが実施され、従来最高速度80km/hだったのが最高90��/hとなりました。
更に従来より2編成12両を増車した事で大宮口で春日部始発の1運用、船橋口で馬込沢始発の2運用を増発しラッシュ時の混雑
緩和を推進しています。また午後混雑時間帯も増発が行われています。
日中時間帯については柏口で増発が実施され、柏〜運河まで8本/h、柏〜清水公園まで6本/h、柏〜春日部方面が4本/hという
感じに区間列車を増やしています。船橋口が10分間隔なので柏駅での接続が若干ズレるのは後々まで微妙な点でした。
また今回改正でも終電の延長が実施されています。（各主要口で概ね10〜20分程度）
12月29日 日比谷線直通に20000系のモデルチェンジ車20050系が就役しました。
営団03系に続く5扉車が東武にも誕生しました。なお就役当初は営団線内では既に5扉車の運用が実施されていたが営団線内に
限定し東武線内は3扉のままでした。この為20050系も就役当初は同様の扱いとし東武線内は当面3扉開閉対応限定で運用され
ていました。20050系は5扉化が目立ちますが,VVVF制御化,LED表示機,自動放送対応,内装の刷新,LCD案内表示機導入等突然
大きな進化を遂げました。
この年に東上線では秩父鉄道直通が廃止となってしまいました。また池袋東武百貨店の大増床リニューアルオープンによる車体広告や種別幕が新しい物に取り換えられ始める等新たな東上線として生まれ変わった時期だったのかなと感じる所です。釣り掛け電車が引退した事で全線でのスピードアップに向けた整備が進み、新駅・ふじみ野駅の誕生で東上線は更に劇的な進化を遂げる事になります。
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▲東上線で種別幕が大幅にリニューアル
平成4年下旬頃に東上線の幕が今に引き継がれるローマ字表記入りの物に変更されました。上が未修繕（手動）タイプで下が修繕車（電動）タイプです。向きが逆ですいませんが改めて見るとかなりの変化ですよね。私はこの新幕からの世代なのでやはり東上線はこの色だなぁって感じる所です。
未修繕車の幕でもローマ字入りって所が珍しく感じる所です。本線側は幕だと一切ローマ字入れなかったので…（なので現代の野田線での種別幕はこの東上線タイプが継承されています）この新幕採用によって最後まで残った旧世代の白地幕がどんどん置き換えられていったかなという所です。
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1993年（平成5年)8000系就役30年
東上線で100km/h運転開始へ。就役から30年が経ち初めて8000系性能ベースのダイヤが誕生しました。
▲ふじみ野駅が開業し、東上線の最高時速を従来の95kmから100kmに引き上げるダイヤ改正が実施されました。
東上線のダイヤはこの時から副都心線に相互直通する2008年まで、美しいパターンダイヤで構成されました。
無駄がないと言いつつ日中川越市以北4本/hは本当に少ないのが難点でしたが、それでも志木〜川越の飛ばしっぷりは本当に気持ちが良かったですね。
1月12日 8531F修繕完了
2月 2日 8123F,8124F修繕完了
3月 1日 この日より日比谷線直通5扉車使用が東武線内でも解禁されました。当時は20050系も21851Fから21854Fまで増備されていますが、旧型2000系も残りわずかとなり平成5年度増備分の
20050系の3編成(21855F~21857F)によって置き換えが完了する事となります。余談ですが、当初の20050系の5DOORSステッカーは後の白地黒抜き表示でなく白文字表記でした。
4月 1日 8128F,8514F修繕完了
7月19日 8141F修繕完了
7月30日 8532F修繕完了
8月 2日 営団日比谷線用2000系がこの日で引退となりました。結局車齢が若いからと再利用された2080系が先にいなくなり純粋な2000系が最後まで活躍する事となりました。
20050系は翌年更に1編成増備されますが、20050系7編成と20000系13編成で合計20編成となり2000系を完全に置き換えました。
8月30日 8536F修繕完了
9月20日 8526F修繕完了
10月 8日 8524F修繕完了
11月15日 8134F修繕完了
11月15日 東上線ダイヤ改正実施 ＜ふじみ野駅開業と全線でスピードアップ＞
平成4年に釣り掛け駆動の5000系列がいなくなった事で各所設備改良を実施し、最高速度95km/hから100km/hに全線でスピードアップとなりました。
またふじみ野駅が誕生した事により従来志木〜川越において停車駅数で各駅停車と5つも差がある上に途中退避箇所も無い事から急行や特急が前を走る各駅停車に追いついてしまう現象が
ふじみ野での緩急接続実施により解消されました。これは例えるなら中央快速線の中野〜三鷹で中央特快が前を走る各駅停車に追いついてしまい減速してしまうあの現象とほぼ同じです。
これにより急行は新規にふじみ野駅停車が増えても池袋〜川越30分を維持し列車によっては従来の31分から1分短縮しているほどです。
特に混雑時間帯は効果が大きく池袋〜川越で最大5分、池袋〜森林公園で最大7分も所要時間が短縮された列車もあります。
日中の優等列車運転については87年改正で日中の急行3本準急3本から急行4本準急2本に変更し準急が不均等な運転間隔になっていましたが、今回は準急を2本追加設定し急行4本準急4本
の体制となりました。つまり日中時間帯は急行・準急・普通(有楽町線直通含む)のいずれもが15分なり7分30秒間隔に整理されとても分かりやすいダイヤ構成となっています。
ラッシュ時については池袋着7：30〜8：30の最混雑時間帯の全ての列車がオール10両編成に増強され、本数増も実施し引き続き混雑緩和に努めています。
他では終電の延長や、91年改正で誕生した土曜ダイヤについては週休2日制が更に浸透した事からラッシュ時の運行本数を減らす対応もされています。
12月 1日 8533F修繕完了
12月 7日 8534F修繕完了
12月23日 8134F+8533Fが七光台区へ転属。一時的な転属の為車両都合の関係だったと思われますが修繕の4+2は当時唯一の存在でした。
後々半固定改造される両編成ですが、後の組成ペアとは異なってますね。
以上8000系の半生（30年）をざっくり振り返ってみました。何と言うか30年経ってようやく8000系の性能をフルに活かすダイヤが設定されたという点が8000系に電気制動は必要なかったのをよく現していると感じます。とは言いつつも…野田線含めてるとここからまだ30年以上も前線で活躍する訳ですからそれを考えると電気ブレーキが欲しくなるよなぁ…にはなるのかもですね。
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