就役61年を迎えた8000系と今後について

 1963年11月1日に東上線で運転を開始してから今年で61年を迎えた東武8000系です。昨年の60周年時にはまさかの8111Fがアーバンパークラインで運用復帰というサプライズもあり、一層盛り上がった所でしたが1年が経ち状況は一変したと感じます。
 と言うのもあれから1年が経ち、館林地区は10030系ワンマン改造車が増えた事により運用が全てステンレス車に置き換わり、継続して10030系のワンマン改造が進行している事により亀戸線についても10000系列へ置き換わるのは避けられません。既に編成も出揃いつつあり試運転も頻繁に行われ、秒読み段階に来ている所です。
 また既に発表されていますがアーバンパークライン(野田線)では新型80000系投入と5両短縮化により、現在七光台区に在籍する8000系6両固定16編成96両の撤退も事実上確定しています。80000系の投入、60000系の5両改造により全置き換えには数年を要するでしょうが8000系は優先的に置き換えが進むことから2024年度5編成、25年度・26年度の投入本数次第では2年、3年で全滅も考えられます。8111Fも奇跡の復活で盛り上がりつつも8111F自体老朽化著しるしく80000系投入に併せて早い段階で野田線運用からの離脱も考えられます。

 亀戸線、野田線から8000系がいなくなるとなれば、残るは実質館林〜伊勢崎で活躍する800/850型の3両固定編成10編成30両と東上線末端と越生線で活躍する8000系4両固定11編成44両の74両が最後の砦となる訳です。

 ちなみに判断が難しいのが大師線です。普通に考えれば亀戸線が10000系列に変わるなら共通運用の大師線も一緒となるのですが10000系列が過去に大師線で事故を起こしその後大師・亀戸線運用から離脱した経緯から復帰には慎重な判断となっているみたいです。
 実際頻繁に試運転が繰り返される亀戸線と違い大師線はしばらく試運転が実施されていないのを見ると将来予定されている自動運転に対応した新型車両の誕生を待つという可能性も?という感じです。ただ運用を分別すると春日部区からの送り込みをどうするんだ?って感じですが、まぁ調整すればいいだけ…とも言えますが。勿論亀戸線と同時に10000系列に置き換えられるという事も考えられます。10030系ワンマン編成数は十分用意出来つつあるので。

 と言った感じではっきりいってお先真っ暗というか、流石に古過ぎる車両なので置き換えが進むこと自体は全く自然な流れで仕方のない事とは思います。
 ただどうしても寂しいなと感じてしまう所はある訳でして、残りわずかな活躍期間となるので改めて記録はお早めにと思う所です。

<2024年11月1日現在 残存する8000系について>

 就役61年が経ち8000系も全盛期の712両から言えば当然のごとく大分数を減らした訳ですが、改めて振り返ると各路線ごとに両数形態までキレイに分かれています。
 この様に何だかんだで車両の置換えは合理的に進められてきたというのが伺えます。

【アーバンパークライン(野田線) 6両固定編成】16編成96両
8111F(動態保存),8158F,8159F(幕),8162F,8163F(幕),8164F,8165F,8166F,8170F,8171F,8172F,8192F,81110F,81113F,81114F,81117F


▲現存する8000系で最長の6両編成で運用されるのはアーバンパークラインのみとなりました。
しかしその姿ももって3年程度か…?記録はお早めにですね。


▲8000系もそうですが、60000系も5両短縮が確定しており10030系6両固定編成の置換も確定し、
今野田線を走る車両全てが記録はお早めに状態です。


▲奇跡の復活を果たした8111Fですが幕の故障やら扉の故障やらメンテに苦労している模様…。
新型80000系投入に併せて真っ先に運用離脱し再度臨時専用になってしまう可能性も?

【伊勢崎線(亀戸・大師線) 2両固定編成】6編成12両(※)
全てワンマン運転対応車
8572F,8574F,8575F(黄色),8576F,8577F(橙色),8579F
※8572Fは館林地区ローカル用でしたが、現在運用離脱中です。後は廃車を待つのみの可能性大。


▲亀戸線8000系の置き換えが近いのは間違いありません。
実働5編成中、昭和30年代78型試験塗装再現編成が2本走っています。日によっては2本とも特別塗装編成の場合も。


▲8月に実施された夜間試運転の状況です。種別にワンマンと通常の行先表示を出して本番さながらのシーンです。
もう少ししたらこれが当たり前になるでしょう。


▲館林地区で8000系ワンマンローカル2両運用に最後まで残った8572Fですが検査期限も近く今は離脱して廃車を待つのみか…。


▲8000系2両固定編成の活躍もあとわずかでしょうか…?大師線の状況が気になりますが予断を許さない状況は変わらずと感じます。


▲春日部区から回送されるときは本線の複々線区間も走ります。真新しい竹ノ塚高架線との組み合わせもいつまで見れる?


【伊勢崎線(館林以北) 3両固定編成】10編成30両
全てワンマン運転対応車
801F,802F,803F,804F,805F,851F,852F,853F,854F,855F


▲館林〜伊勢崎は800・850型の3両固定の特殊な編成(右)が運用されています。3両と形態が特殊なので何で置き換えるか想像もつかず、
最後まで残る可能性が高い様な気はしています。隣の小泉線(左)は既に10000・10030系ワンマン編成に置き換えられています。


▲850型は中間車を改造して2005年に誕生した8000系では比較的歴史の浅いタイプですが、唯一の前パン車です。
この為前面が汚れやすいという弱点を持っていますが、この独特な姿も記録はお早めにですね。

【東上線(小川町以北)・越生線 4両固定編成】11編成44両
全てワンマン運転対応車・東上線デジタルATC対応
8183F,8184F,8197F,8198F(正面サボ付),8199F,81100F,81107F(ツートンカラー),81109F,81111F(セイジクリーム),81119F,81120F(特殊床)


▲東上線森林公園〜寄居と越生線で運用される森林公園区の8000系4両固定編成です。
気付けば8000系の4両固定編成自体、ここでしか見れない存在に…
森林公園〜小川町はATC運転となるので運転台から独特の音が聞こえてきます。
またワンマン運転車ですが本線と違い、ホーム検知センサーの方式が異なる為表情も変わります。


▲日中は客扱いは行わない区間の森林公園⇔坂戸にて回送走行が見れます。
画像は8111Fと同じ初代塗装が塗られている81107Fです。
越生線と東上線小川町以北の車両運用が共用の為、送り込みの回送運用もあります。


▲越生線を走る81111F(セイジクリーム塗装)です。81107Fと81111Fの更新顔とリバイバルカラーの組み合わせが見れるのもこの路線ならでは。
リバイバル塗装始まって10年になりますが、あと何年拝めるかですね…。こちらも記録はお早めにです。

という感じで 6両固定編成 16編成96両(アーバンパークライン)
4両固定編成 11編成44両(東上線・越生線)
3両固定編成 10編成30両(伊勢崎線館林以北)
2両固定編成  6編成12両(亀戸・大師線)
以上43編成182両が61年目に生き残った8000系達となります。

 残り182両と言う事でまだまだ結構いるじゃないかと思うかもしれませんが、その半分以上の96両野田線の置換が確実、2両固定6本12両も置換間近という事で
繰り返しになりますが、処遇が決まっていないのは伊勢崎線、東上・越生線の74両だけです。一方でステンレス車の置換による玉突き置換も想定されます。(流石に9000系は20000系の様に転用改造をしない気はしますが…)
 東上線・越生線はかつて10030系4両固定が走っていた路線という事もありワンマン改造で置換も否定できず、予想しにくいのは3両固定の置換を何でやるかです。
 とは言いつつもこの様子だとあと5年もすれば流石に定期運用は全滅してしまうのでは…という程の所まで来てしまったなと感じています。
 登場から40年間は1両も廃車を出さなかった長寿命の形式ですが流石に60年ともなればいよいよ終わりが見えてきた…という所です。

 あと何年8000系の定期運用が見れるか分かりませんが、とにかく記録はお早めになのです。

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