車体に関しては、20m4扉となっていますが、これは7800系列でずっと採用してきた方式なので特に変わった点ではありません。ですが扉は2000系同様の両開き開口1,300mmに拡大されています。私鉄で20m両開きの4扉車が誕生したのは関東で確か相鉄6000系に続く2例目だったと思われます。また2000系や相鉄6000系同様戸袋窓を廃止しスッキリした外観となっています。
この車体に関しては2000系の延長上ではあったでしょうが、20mに大型化される事から編成重量を極力下げる為に様々な工夫が行われました。重量減は非常に大きな意味合いを持ちます。まず軌道への影響を抑える事で、線路の保守の軽減が図れます。ただ当時はばね下質量が重く軌道破壊が大きい吊り掛け電車王国だった訳ですから焼け石に水状態ではあったでしょうが将来の大量増備を思えば後々大きな要因になってきます。
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また車両が増えるに当たって、使用電力量が当然増えてきます。電力使用量の増加はそのままコスト増につながり、更に高度経済成長期を向え電力料金そのものが上がっていた事も影響していました。単純に電気が増えるだけならまだしも増えれば次第に変電所の増設、増強も必要となるので、甘く考えていては痛い目を見ます。その為には車体の軽量化と床下機器等をバランスよく配置し、編成重量を減らす事が重要となりました。他でも使用電力を減らす事で、電力供給源である変電所の負担減、軽くなった分だけ軌道破壊を減らす事で保守の軽減といった面でも軽量化は非常に重要でありました。
なお、重量減という所に着目していた訳ですが参考文献によれば、新型車両では実用化されつつあるオールステンレス車体を採用するのが得策という記述があったそうです。
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